大韓航空によるアシアナ航空の買収、欧州委員会が懸念表明

大韓航空 KE HL8351 737MAX 737-8MAX

欧州委員会(EC)は、大韓航空によるアシアナ航空の買収に対し、競争を制限する可能性があるとの予備的見解を発表した。

欧州経済領域(EEA)と韓国間の旅客・貨物の航空輸送サービスの提供で、競争を制限する可能性を2月から詳細に調査していた。当事者から提供された内部文書の分析のほか、競合航空会社や潜在的な参入者、顧客からの情報や意見の収集を行っていた。

分析の結果、韓国とフランス、ドイツ、イタリア、スペインの4か国を結ぶ路線の旅客輸送のほか、韓国と欧州全域を結ぶ貨物輸送で、競争を制限する可能性があるとしている。

大韓航空とアシアナ航空は、韓国で1位、2位の航空会社で、韓国と欧州を結ぶ路線では競争相手にあたる。両社の統合により、旅客・貨物航空会社として圧倒的な地位となり、顧客にとって重要な代替手段が失われるほか、価格の上昇やサービスの低下につながる可能性を指摘した。

欧州委員会では、一定基準以上の売上高がある企業の合併については、審査を行っている。大韓航空とアシアナ航空の取引は1月に通知され、2月から「フェーズ2」にあたる詳細な調査を開始していた。通知から25営業日以内に、承認もしくは詳細な調査を行うかを決定している。最終決定は8月3日までに行われる見通しで、大韓航空は回答の機会も与えられている。