たった1機の”親子イルカ”「みぞか号」を乗り倒す旅 天草エアライン「パラダイス運賃」搭乗レポート(その1)

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熊本県の天草空港を拠点とし、たった1機のDHC8-100型機で毎日10回ものフライトをこなす航空会社をご存知だろうか。

「天草エアライン」は、天草と福岡、熊本、大阪/伊丹の3都市を結ぶ路線を運航している、日本で定期便を運航する中で一番小さい航空会社である。乗客の定員は39名にもかかわらず、すでに搭乗者数100万人を達成したというから驚きだ。

そんな天草エアラインの社員のアイドルが、2013年に新たな塗装に生まれ変わった「みぞか号」である。

胴体には親イルカ、両エンジンには2頭の子イルカがデザインされた機体で、一般公募によって選ばれた。その選考に携わったのが、アジア唯一の公認サンタクロース、マンボミュージシャンとしても知られる、パラダイス山元氏だ。

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パラダイス山元氏は、ANAが発売した国内線プレミアムクラスが1年間乗り放題の「プレミアムパス」を購入し、1年間に1022回も飛行機を乗り倒したことでも有名。2013年秋に発売された「パラダイス山元の飛行機の乗り方」は、旅先へ向かう”手段”としてではなく、純粋に”フライトを楽しむ”という飛行機の乗り方を提案する一味変わった本だが、すでに第3刷となっており、飛行機ファンのみならず、一般人からも支持されているという。

そんな、飛行機を愛するパラダイス山元氏と天草エアラインが企画した運賃が、「1日親子イルカ号パラダイス」運賃である。

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1日10回のフライトをこなす、天草エアラインにたった1機ある「みぞか号」に、1日で全フライトに搭乗する天草発着10回(レグ)コースが15,000円、8フライトに搭乗する福岡発着8レグコースが10,000円という、価格設定もさることながら、驚愕の企画だ。

2014年1月に発売を開始したところ、瞬く間にクチコミで広がり、すでに150名以上が購入しているという。福岡発着の8レグコースのほうが人気とのことだが、天草発着の10レグを購入するという人、さらに首都圏など遠方からチャレンジする人もいるとのこと。これほどまで多くの人を惹きつけるものはいったい何なのだろうか。筆者も、10レグにチャレンジするため、天草へと向かった。

筆者を福岡空港で待ち受けていた”親子イルカ”は、今日7レグ目のフライトの出発準備をしていた。飛行機に備え付けられている階段を上ると、キャビンアテンダント(CA)が迎えてくれる。天草エアラインには5人の客室乗務員が在籍。クリアフォルダーにA4の用紙が差し込まれていて手作り感満載の機内誌には、5人のプロフィールが書かれているのも、他の航空会社と違うポイントだろう。

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さらに、コメントカードで乗客と天草エアラインの間でやりとりされるQ&Aでは、「太田CAにミニスカを履いて欲しい」という意見まで。天草エアラインの回答は「懇願してみます」とのことだったが、もしかしたら、今年4月にスカイマークのミニスカCAが誕生する前に、天草エアラインでセクシーなミニスカCAが見られるようになるかもしれない。

つづく

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