ユナイテッド機エンジントラブル、2枚のファンブレード破損 金属疲労の兆候も、NTSB会見

アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)は現地時間2月21日夜、オンラインでのメディアブリーフィングを開き、同2月20日に起きたユナイテッド航空328便のエンジントラブルの調査状況を公表した。

NTSBによると、同便は乗員10名と乗客229名の計139名を乗せ、デンバーを離陸してから約4分後、時速280ノットで約12,500フィートを上昇中、右側のエンジンから大きな爆発音と振動が増加したことが、コックピットのボイスレコーダーに記録されている。

乗員はチェックリストを確認し、管制官に緊急事態を宣言。エンジンの故障から約20分後にデンバーに戻った。乗員は乗客の緊急脱出の必要性はないと判断したという。

同機に搭載されていたプラット&ホイットニー4077型エンジンに22枚あるファンブレードのうち、1枚は根元、隣にあるもう1枚は中間で折れていた。金属疲労とみられる痕跡がみられたという。この部品は21日夜、プライベートジェットでプラット&ホイットニーの本社や研究所に運ばれた。

また、コックピットの調査ではファイヤー・ハンドルが使われ、エンジンの消火が試みられていたこともわかっている。エンジンは解体され、整備記録やフライトレコーダー、乗客が撮影した映像や写真などとともに調査される。

参加メディアからは、2020年12月に発生した、日本航空(JAL)のボーイング777-200型機で起きたエンジントラブルとの類似性も指摘されたものの、ロバート・サムウォルト会長は、「調査は始まったばかりで、全体的、包括的に調べる」と明言を避けた。