デルタ航空、成田撤退 最終日はわずか2便

デルタ航空は3月28日、成田国際空港から運航を終了した。あす29日からは、全便を羽田空港発着で運航する。

新型コロナウイルスの影響で多くのフライトが欠航となる中、最終日は、シアトル行きのDL166便とアトランタ行きのDL296便の2便を運航した。ラストフライトとなるDL296便は、午後5時38分に25番スポットを出発した。同日をもって、成田国際空港の「デルタ・スカイクラブ」の営業も終了した。格納庫は現状残る。乗務員の滞在先として使用している、富里市のラディソンホテル成田や機内食工場は2016年にシーエイチアイに売却し、機内食工場跡地はスーパー銭湯に生まれ変わっている。

旧ノースウエスト航空は、1978年の開港時から旧新東京国際空港(現成田国際空港)に乗り入れを開始。アジアのハブとしてアメリカを結び、以遠権を用いてアジア各都市へ路線を展開していた。2008年にデルタ航空と合併した後には、デルタ航空が引き継いで運航した。

近年、アジア路線は相次いで縮小。2014年3月に北京線、同10月に香港線、2016年10月にバンコク線、2017年5月に台北/桃園線、2018年7月に上海/浦東線、2019年9月にシンガポール線、今年3月にマニラ線の運航を終了していた。出資する大韓航空や中国東方航空との結びつきを強化しており、ソウルや上海を経由し、アジアへのアクセスを提供する。

あす29日から始まる今夏スケジュールから羽田空港の国際線発着枠が増加し、デルタ航空には5枠が新たに割り当てられた。既存の2枠と合わせ、シアトル、デトロイト、アトランタ、ホノルル、ポートランド、ミネアポリス、ロサンゼルスと羽田空港を結ぶ、米系航空会社として最大の7路線を運航する。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、羽田空港発着便も、ロサンゼルス・ミネアポリス線を4月1日から30日まで、ホノルル線をゴールデンウィーク前まで、ポートランド線を5月31日まで、それぞれ運休する。また、デトロイト線を週6便、アトランタ線を週5便に減便して、5月31日まで運航する。