新型エンジンで後方席も静粛・快適 スカイマーク、日本初の737MAX就航【初便搭乗レポート】

スカイマークは5月28日、ボーイング737-8型機の運航を開始した。737MAXシリーズの導入は日本の航空会社として初めて。当面は東京/羽田〜福岡線で運航する。

737MAXシリーズは737-800型機の後継となる機材で、スカイマークは737-8型機13機と、超長胴型の737-10型機7機の計20機を発注している。737-8型機の初号機(機体記号:JA738A)は、ボーイングが工場を置く米・シアトルで現地時間4月29日に受領し、5月4日に羽田空港へ到着。慣熟飛行など就航準備を経て、5月25日には関係者・メディア向けのお披露目会が開かれた。

機体デザインは従来の737-800型機を踏襲しつつ、垂直尾翼に施していたブランドカラー「SKY BLUE」を機体下部まで拡張。ウイングレットの赤いハートマークは従来機の1つから2つに増やし、「たくさんの温かさをさらに多くの人々に届けたい」という思いを込めた。

座席数は現行の737-800型機と同じ177席で、レカロ製の薄型シートを採用。シートピッチは約31インチ(約79センチ)で、座席下にユニバーサルコンセント、座席背面にUSB Type-Cポートを備える。機内Wi-Fiサービスも今後提供予定だ。

初便となった東京/羽田発福岡行きBC3便には、ほぼ満席の174名が搭乗。19番スポットを午前7時38分に出発し、C滑走路(R/W16L)から飛び立った。羽田空港では利用者向けの特別なセレモニーなどは開かれなかったが、ゲート前で記念のタンブラーやミニポーチが配られた。

737-8最大の特長のひとつが、新型エンジンがもたらす機内の静粛性だ。737-8に採用されているCFMインターナショナル製LEAP-1Bエンジンは、カバー後部にノコギリ歯状のパターンが刻まれており、排気流と周囲の空気を混合することでジェット騒音を大幅に低減している。

実際、旧来のCFM56-7Bエンジンを搭載する737-800型機と比べると、エンジン音の影響を受けやすい後方座席でも巡航中の静粛性は明らかで、会話や睡眠、音楽鑑賞をストレスなく楽しめるように感じる。ボーイングによると、地域への騒音フットプリント(影響範囲)も737-800型機比で50%低減しているという。

▲737-8型機に搭載されているLEAP-1Bエンジン(左)と、737-800型機のCFM56-7Bエンジン

環境性能も大きく向上した。座席あたりの燃料消費量と二酸化炭素排出量は737-800型機比で約15%軽減。航続距離も5,440キロから6,480キロに伸びている。就航前の慣熟飛行に同乗したというスカイマークの本橋学社長は機体のお披露目式典で、飛行中にパイロットが燃費性能の高さに驚いていたというエピソードを紹介。「空の最前線に立つ現場の驚きこそが、この機材の優れた燃費性能を何よりも物語っている」と述べている。

機内ではドリンク提供など通常のサービスに加え、希望者には客室乗務部お手製のフライトログ記録用紙の配布も。パイロットが出発時間や離陸滑走路、高度、飛行時間などのフライト情報をアナウンスで伝え、乗客自身がそれを書き留めるという記念便ならではの演出だった。

余談だが、機内提供ドリンクは4月1日にリニューアルし、就航地にちなんだメニューが新しく加わった。北海道日高産根昆布をすりつぶしてかつお節エキスを合わせた「ほっとこぶだしスープ」、沖縄県産パイナップルを使いスジャータめいらくと共同開発した「パイン ザ スカイ」、鹿児島県知覧町産茶葉を使った「知覧茶 夢ほたる」の3種で、ホットコーヒーやミネラルウォーターも引き続き提供している。

737-8型機に採用された新型シートには、カップホルダーとタブレットホルダーを兼ねたトレイテーブルが設けられ、テーブルを出さずともドリンクを置くことができるようになった。

この日は低気圧や前線の影響で全国的に曇りや雨となり、離陸直後こそ雲の切れ間から東京や埼玉の街並みを眼下に眺めることができたものの、その後は終始、厚い雲の上を巡航。約1時間半の飛行時間を経て、福岡空港には午前9時31分に到着した。スポットの横には「新しか飛行機で日本の空ば盛り上げるばい!!」というメッセージを掲げた貨物コンテナが控え、新型機の就航をひっそりと祝っていた。

737-8型機は今後、当面は東京/羽田〜福岡線で運航し、他路線にも順次拡大する。投入便は空席照会画面で確認でき、機材名に「738」と表示される。2号機は7月中にも受領予定で、2027年度からは737-10型機の引き渡しも始まる見通しだ。新型機の導入が進むにつれ、さらに快適になった空の旅をより多くの乗客が体感できるようになりそうだ。(以下、写真16枚)