ANA、SFC制度見直しで「300万円未満」は全体の約6割と試算 200万円基準では混雑解消せず【一問一答】

全日本空輸(ANA)は9月29日、スーパーフライヤーズカード(SFC)の制度再設計について記者向けの説明会を開催した。

発表した「スーパーフライヤーズカード(SFC)」制度の再設計案について、制度改定の背景、年間300万円の基準設定、ラウンジ利用制限、スターアライアンス規定との兼ね合いなどについての一問一答は以下の通り。

ー2027年度中の羽田空港国内線ラウンジ拡張の具体像(座席数や規模)や、他空港での拡張予定はあるか。また、SFC LITE会員の国内線ラウンジ利用ルール(混雑時不可のSTEP1から事前予約制のSTEP2への移行)のスケジュールやシステム構築の詳細について。

羽田空港国内線ラウンジの拡張工事は2027年度初頭から開始し、2027年度中に順次供用を開始する予定である。具体的な増席数は非公表だが、混雑緩和に向けた実効性のある規模となる。地方空港については2017年から2019年にかけて拡張を実施済みであり、現時点で追加の拡張予定はないが検討は継続する。

新制度の開始は2028年4月1日(判定期間:2026年12月16日~2027年12月15日)だが、羽田のラウンジ拡張はそれに先立ち先行実施する。事前予約制(STEP2)は現在要件定義を行っており、可能な限り2028年4月の制度スタート時にSTEP1と揃えて導入できるよう調整を進めている。

ー4月と6月の発表後に寄せられた反響をどう認識しているか。また、一般のANAカード会員の決済額が高水準であるのに対し、SFC会員単体での利用額が低くなっている理由と今後の対策について。

4月の発表直後は一律制限に対する厳しい批判が多く寄せられた。6月の見直し表明後は、逆に混雑解消への懸念や方針変更に対する不信の声が上がった。

決済額に関して、SFC会員(特にステータス非保持者)の年間決済額は一般的なクレジットカード平均(年間100万円以上)を下回り、年々減少傾向にあった。これは従来のSFC特典が航空関連(ラウンジ等)に偏り、日常決済での魅力や付加価値が不足していたこと、また他社の経済圏カードの台頭が要因である。今後はクレジット決済とマイレージプログラムを両輪とし、マイルの貯まりやすさ・使いやすさを含めた還元策を順次強化していく。

ー年間300万円という判定基準を設定した理由と根拠は何か。改定後も入会条件は搭乗実績(プレミアムポイント)に基づく一方、上位区分への達成基準がカード決済額となっている不均衡について、入会条件自体を見直さなかった理由は何か。

300万円の基準は、「ラウンジの混雑緩和」と「可能な限り多くの会員への利用機会提供」を両立させるための試算結果である。200万円への引き下げ、搭乗実績との併用、適用範囲の変更など多様な条件でシミュレーションを行ったが、混雑緩和と利用機会確保を両立するには全会員一律300万円の基準が必要と判断した。

試算では「SFC PLUS(300万円以上)」が全体の約4割、「SFC LITE(300万円未満)」が約6割となる。LITE会員の約35%(全体の約21%)は年間のANA便利用実績がゼロの会員であり、実際に空港ラウンジを利用すると見込まれるLITE会員は全体の約25%にとどまる。また、会員の年収調査や特典航空券利用データ等の決済能力推計も根拠としている。

入会条件(搭乗実績)の厳格化については、将来の顧客参入の選択肢を狭めるため見送った。新規入会者は新制度を理解した上で入会するため混雑管理が可能であり、プログラムの持続には新しい顧客の参入が不可欠である。

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