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ブッキング・ドットコムが国内空港で「白タク」斡旋【独自】
岸田首相が11月22日にデジタル行政改革会議で、「ライドシェアの喫緊の課題への対応策の議論を加速してほしい」と発言。さらに政府は12月に入ると、タクシー会社が雇用するなど条件はあるものの、旅客運送に必要な「第2種運転免許」が不要で自家用車をタクシー営業に利用できるようにする規制緩和策を固めるなど、日本でもライドシェア解禁に向けた動きが活発化している。
一方で、現状ではライドシェアが解禁されているわけではなく、「第2種運転免許」を持たず白ナンバーの「自家用車」で旅客運送を行うこと、いわゆる「白タク」は違法行為。最近はこの「白タク」が日本国内の空港などに多く出現しており、社会問題としてニュースでも取り上げられている。
これまでこういった「白タク」は、外国人向けの専用サイトや独自アプリでサービスを提供していると思われていたが、今回調査したところ国内でも営業している外資系OTA(Online Travel Agent)が、国内で白タクを斡旋していることがわかった。
たとえばブッキング・ドットコムは、「空港発着タクシー」というサービスを提供している。ウェブサイトの空港発着タクシーの予約で羽田空港から東京都心などで検索し、「スタンダード」や「ミニバンなど」など車種を選ぶと、連絡先と支払い方法の登録画面に切り替わる。
その際、実際に配車をする提供元の会社名も表示される。提供元の会社名は複数あるが、いずれの会社名も検索した限り日本で営業しているような情報は見当たらない、海外のサービスばかりだった。
調査のため実際にブッキング・ドットコムの「空港発着タクシー」を使い、羽田空港から有楽町駅まで配車を依頼したところ、「Tianjin OUYA Automobile Rental Service」という会社名の提供元から配車された。会社名からも予測できるが、予約の詳細から同社に問い合わせできる電話番号が記載されており、その国番号が「86」だったことから、中国系の企業だと思われる。
サービス自体はスムーズで、予約した時間前に到着したとの案内があり、メッセージで待ち合わせ場所なども指定された。このときは羽田空港第3ターミナルのパーキング2階での待ち合わせだった。
ドライバーは女性で、話し方から中国系と思われる。そのまま駐車スペースに移動すると高級外車が停まっていたが、そのナンバープレートは旅客営業に使用できる「緑」ではなく、自家用車を示す「白」だった。またドライバーに第2種運転免許についても聞いてみたが「よくわからない」との回答。タクシー業務について聞くと「私タクシーじゃない、友だちに頼まれた」と返答していた。
クルマに乗り込み、駐車場を出て指定した有楽町駅に向かうが、料金が15,560円と割高だったにもかかわらず、首都高を使わずひたすら一般道で向かったため1時間近くを要した。それ以外は配車タクシーもしくは、ライドシェアとしてはいたって普通のサービス…ではあるものの、やはり自家用車の「白ナンバー」での旅客営業は現状では違法である。
今回はブッキング・ドットコムで実際に利用して調査してみたが、これ以外にもTrip.com(トリップドットコム)やAgoda(アゴダ)、Klook(クルック)でも同様の空港送迎サービスを提供しており、一部に日本のタクシー・ハイヤー会社の名前もみられるものの、多くは海外の企業やサービス名が提供元として表示されていた。
現在、ブッキング・ドットコム、トリップドットコム、アゴダ、クルックの4社には下記内容の質問への回答を求めている。返答があり次第追記していく。
■各社へ送った質問事項
1.御社はいわゆる「白タク」が配車されることを承知しているのか?
2.御社は白タクが配車されるサービスを日本で提供することを合法と考えているのか?
3.「空港送迎」サービスに採用する提供元サービスと御社が契約する際に、日本国内で合法的に営業できるかどうか確認しているのか?
4,今後もいわゆる「白タク」が配車される状況でも、日本国内でサービスを提供していくのか?