エミレーツ航空、ドバイ〜ウィーン線に新仕様777を投入 2025年1月3日から
JA703J、わずか440キロの国内線で最後の活躍中 “JALの顔”は777からA350へ
まもなく全機退役を迎える予定の日本航空(JAL)のボーイング777-200ERが、国内線で最後の活躍を見せている。この6月中は、最後の1機となったJA703Jが東京/羽田〜名古屋/中部線のJL200・209便に投入されているが、JALによると今後の運用については未定。具体的な退役時期は発表されていないが、遅くとも9月末までには運用離脱し、売却されることが決まっている。
中距離国際線機材として、2002年8月から全11機が導入された777-200ER。東南アジア線やホノルル線などに投入されていたが、コロナ禍に伴う事業構造見直しに伴い、国際線からは2021年に離脱した。
ビジネスクラスシートがそのまま使われたクラスJ
11機のうち5機は国内線に転用された。クラスJ26席、普通席286席の312席仕様として、クラスJでは国際線時代にビジネスクラスだったヘリンボーン配列のフルフラットシート「JAL SKY SUITE III」がそのまま使用されている。
座席配列は全席が通路に面する「1-2-1」で、アームレスト間のシート幅は約51〜52センチ。フルフラットにした際のベッド長は最大約198センチ、ベッド幅は最大約74センチ。各座席には17インチの個人用モニターや大型ダイニングテーブル、専用収納スペース、4段階調節が可能なLEDライト、電源用コンセント(ユニバーサル、USB-typeA)などを備える。
▲2人組から4人グループまであらゆるニーズに対応する「3-4-2」配列の普通席
一方、普通席は変則的な「3-4-2」配列。シートピッチは約84〜86センチ(一部座席を除く)で、アームレスト間のシート幅は約47センチ。各座席に10.6インチの個人用モニターや電源用コンセントが設けられている。
残るは「JA703J」1機のみ
国内線に活躍の場を移した機材もエアバスA350-900型機への置き換えが進み、今年に入って残るのはJA701J、JA702J、JA703Jの3機のみとなっていた。このうちJA702Jは5月9日、JA701Jは16日に売却のため離日し、米国のサザンカリフォルニア・ロジスティックス(ビクタービル)空港に向かった。
▲エアバスA350型機への置き換えが進むJALのボーイング777-200ER
最後の1機となったJA703Jは、2003年2月3日に受領した機体。“同胞”の2機がすでに運用から離脱していた5月の大型連休期間中は、東京/羽田〜札幌/千歳・沖縄/那覇線に投入され、大きく回復した旅行需要を支えた。また、5月1日にはチャーター便として、かつて777の実機訓練が行われていた下地島空港にも降り立った。
「JALの歴史に777あり」
▲下地島へのチャーター便に乗務した先任客室乗務員の小早川憲子さん
この下地島へのチャーター便で、「“JALの顔”がジャンボから777にかわっていく時期を共にした」と思い出を語ってくれたのは、先任客室乗務員の小早川憲子さん。JA703Jにはシンガポール線などでたびたび乗務し、世界中に飛び立つビジネス客を見送ってきたという。退役が間近に迫っていることに、「今度はA350がJALの顔になっていく。JALの歴史に777あり。この飛行機がなくなってしまうのが残念」と寂しそうに語っていた。
区間距離わずか440キロの短距離国内線で最後の貢献を果たしているJA703Jも、現役引退まであとわずか。その勇姿を記憶に焼き付けるのも、乗り納めをするのも、この夏がラストチャンスだ。そしてJA703Jが日本を去れば、JALに残る777は国際線用の-300ERのみとなる。後継機となるエアバスA350-1000型機は今冬にデビューを控えており、いよいよ“777完全退役”へのカウントダウンも始まる。(以下、写真18枚)
▲最後の活躍を見せるJA703Jと、後継機のエアバスA350型機が並ぶ羽田空港