フィンエアー、「長年熱望」の羽田就航 共同事業のJAL国内線と接続で利便性向上

フィンエアーは10月30日、東京/羽田〜ヘルシンキ線を開設した。毎日1便を運航する。羽田発の初便は10月31日発で、午後9時57分に出発した。

機材は客室を全面刷新したエアバスA350-900型機で、ビジネスクラス43席、プレミアムエコノミークラス24席、エコノミークラス211席の3クラス計278席仕様。ビジネスクラスは「1-2-1」配列で、シェルデザインの新型シート「エアラウンジ」を導入した。新たに設定したプレミアムエコノミークラスは「2-4-2」配列で、形状記憶フォームを採用したレッグレスト付きのシートを36インチ(96.5センチ)のシートピッチで配置している。

▲新仕様機で新たに設定したプレミムエコノミークラス

東京/羽田〜ヘルシンキ線は当初、2020年3月に開設予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。初便の出発を前に羽田空港で開かれた記念式典で、フィンエアーの永原範昭・日本支社長は「羽田空港に便を持つというのは航空会社にとって本当に価値のあること。我々も長年熱望しており、やっとこの日を迎えた」と万感の思いを込めた。

▲フィンエアーの永原範昭・日本支社長

フィンエアーは日本航空(JAL)など3社と欧州路線における共同事業(JV)を展開。羽田就航により、JAL国内線との接続が容易になった。永原支社長は「東京のみならず、日本全国からヘルシンキを経由して欧州へスムーズな旅行ができるようになった」と力を込める。ロシア領空を回避したルートを飛行することから、所要時間は羽田・ヘルシンキ発ともに13時間30分となるが、羽田発のスケジュールは欧州のほとんどの都市に午前中に到着できるものになっているという。北回り・南回りのどちらの航路を飛行するかは、風の状況に応じて選択する。北極上空を飛行する北回り航路となった場合は、北極通過証明書を乗客に配布している

羽田発の初便となったAY062便は166名が利用した。航空機の位置情報を提供するサービス「RadarBox」によると、北回り航路でヘルシンキに向かっている。なお、ヘルシンキ発の初便も北回り航路を飛行し、利用者は192名(うち幼児3名)だった。