門限もなく、大浴場&シャワールーム付きの格安ホテル「ホテル ビーバー2」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(11)】

ひとことで言えば、至れり尽くせりである。ちょっとしたテーブルがあり、その上にはティッシュやミラーまで。テレビや冷蔵庫、電源タップ、ハンガー3本。タオルとバスタオル、かみそりすら無いが、なぜか歯ブラシが2セット。しかも照明はシーリングライトで、タイマーまでついている。

唯一の欠点は、エアコンが各部屋で温度調節ができない、全館集中管理な点。とはいえL、M、Hといった風量調整スイッチがあるので、さほど困ることは無い。

ここまで素敵だと、他に何か盲点はないものか? そんな邪悪な気分にさえなってくる。Wi-Fiまで完備されているので、試しに速度を測定してみた。なんと220Mbps!我が家では40Mbps程度なので、もはや十分すぎるほどの速度だ。

さて、恒例の館内探検に行こう。

ホテルにチェックインした際は、早々にすべきことは避難経路の把握。当然だが、これはどんな高級ホテルでも変わらない。こおのホテルではきちんとした避難経路図も掲示されていたので、試しに階段を覗いてみると、まさに古めかしいものの、一応は機能していた。

また、2階のトイレのところには流し台があり、昭和的な瞬間湯沸かし器も設置されている。トイレ自体もウォシュレットタイプにリノベーションされている。しかもコインランドリーまであった。フロントでは5袋入りの洗濯洗剤も販売しているようで、長期滞在にもうってつけ。ちなみにランドリーは午前6時から午後9時まで。午後9時以降が使用不可なのも、朝が早く、就寝も早い人が多い西成ならではの配慮だろう。

そして1階には電子レンジのほか、清涼飲料水の自動販売機も。実は、僕はこちらに2019年11月にも宿泊したことがある。当時はこの場所にビールの自動販売機が設置されていたし、フロントで日本酒も販売されていた。清涼飲料水に変更されていたのも、時代の流れであろうか。それはさておき、個人的には日清カップヌードルの自動販売機があるのも興味津々である。

ここまででも素晴らしいC級ホテルなことがお分かりいただけたと思う。しかし、まだあるのだ。それが大浴場。午後4時から9時まで入浴可能。浴室には誰もおらず、ゆっくりと湯船につかり、一日の疲れを癒すことができた。洗い場は4人分。こじんまりとしているが、僕には十分だ。ドライヤーはフロントで借りるシステム。備え付けが便利なのだが、このくらいは、仕方がないと思った。

身支度をして、僕は夜の街へと向かった。

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