LIFT、超長距離路線向けの新座席コンセプトを発表 1つの座席を3タイプで展開、全長185センチのベッドにも

東京とシンガポールに拠点を置くデザイン会社のLIFT Aero Designは、超長距離便向けに快適性を高めた新座席のコンセプトを発表した。

日本から欧州へのフライトの所要時間が15〜16時間と従来より延び、運賃が高騰している中で、超長距離便の体験の再考を促すプロダクト。2021年に発表した、上級のエコノミークラスやプレミアムエコノミークラス向けの未来の単通路機のコンセプト「PARADYM for Future Aircraft」のワイドボディ機バージョンで、ボーイング777型機やエアバスA350型機では、「3-3-3」配列の中央をワイド型、もしくは「3-3-2」配列で全席をワイド型で配置できる。

新コンセプトの座席は、1つの座席を「エコノミープラス」、「プレミアムエコノミー」、「エコノミーフラット」の各商品として販売できる。すべての乗客に2つの肘掛けを用意し、他の乗客と共有することなく快適に過ごせるほか、全長185センチのベッドとしても利用が可能で、座席先端部を上部に起こすことで座面も広がる。

現行のプレミアムエコノミーと違い、肘掛けが上がることによりあらゆる商品の展開ができるとしており、航空会社は客室クラスではなく座席で価格差をつけることや、客室クラス内でのアップグレードが可能となり、収益性の向上も見込める。

バロン・ダニエル マネージングディレクターは、「毎日クラスの需要は変動しますが、それぞれの座席のハードはすぐには変更できないため、航空会社は常に、供給を需要に合わせるという難問に直面しています。弊社のコンセプトは、その根底から柔軟性を重視しているので、客室内をシンプルにすることにより、航空会社は既存の収益管理ツールをより効率的に利用できます」と、1つの座席をあらゆる商品として販売できることで、サステナビリティの取り組みにも役立つと期待した。

単通路機向けのコンセプトは、2022年の「Crystal Cabin Awards」のショートリストに選出されている。