「初めての試み」 JALがA350特別機“金の鶴丸”に込めた思いとは?

日本航空(JAL)は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた特別デカール機「みんなのJAL2020ジェット」を7月20日から国内線に就航させる。

エアバスA350-900型機(機体記号:JA06XJ)の機体両側面に、16人のアスリートが金色のリボンで繋がるイメージを描き、JALのコミュニケーションスローガン「Fly for it!」や「がんばろう日本!」の標語を金色であしらった。左側には体操の内村航平選手や、同社とパートナー契約を結ぶテニスの錦織圭選手など9人、右側にはフェンシングの加納虹輝選手や、車いすテニスの上地結衣選手など7人が描かれている。さらに、コロナ禍の世の中を照らして元気を届けたいという思いから、同社で初めての試みとして尾翼の鶴丸ロゴを金色に変更している。デカールの面積は400平米で、224枚を約2週間で貼り付けた。

▲JAL東京2020オリンピックパラリンピック推進室 中屋有貴さん

企画を担当したJAL東京2020オリンピックパラリンピック推進室の中屋有貴さんは、この機体に「アスリートと日本中の皆さんが心を一つにして、厳しい状況から一歩前に進んでいけるような願いを込めている」と話す。当初は東京オリンピック・パラリンピックへの機運醸成のため昨年4月の運航開始を予定していたが、コロナ禍で延期。「コロナ禍で航空会社としてできることを社内で検討し、少しでも明るい気持ちになってもらったり、日本中の皆さんを応援したい」という思いから、鶴丸を金色にすることを決めた。「会社の大切なロゴ」である鶴丸を金色に変更するには多くの困難があったが、「JALのみんなの力を結集させて実現できた」という。また、尾翼をラッピングする前例がほとんどなかったため、作業自体にも苦労があったという。

▲初便となった7月20日のJL515便

初便は7月20日の東京/羽田発、札幌/千歳線行きJL515便だった。今後2021年11月末まで、東京/羽田〜福岡・沖縄/那覇線や大阪/伊丹〜沖縄/那覇線などで運航される予定で、運航路線や便名は前日の夕方にウェブサイトで公開される。機内では特別デザインの紙コップや搭乗記念証を提供するほか、期間中は客室乗務員や地上係員が一般公募で選ばれた特別デザインのスカーフを着用する。

「みんなのJAL2020ジェット」は、2019年4月8日にボーイング777-200型機(機体記号:JA773J)を使用した1号機がデビュー。同年7月11日にはボーイング767-300ER型機(機体記号:JA601J)を使用した2号機が就航した。なお、2号機は昨年11月7日、1号機は今年2月21日に運航を終了している。

▲エアバスA350-900型機(JA06XJ)の「みんなのJAL2020ジェット」3号機

みんなのJAL2020ジェット 2号機 JA601J▲ボーイング767-300ER型機(JA601J)の「みんなのJAL2020ジェット」2号機

みんなのJAL2020ジェット 1号機 JA773J▲ボーイング777-200型機(JA773J)の「みんなのJAL2020ジェット」1号機

▲機内で提供する特別デザインの紙コップ

▲機内で提供する搭乗記念証

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