JR東海、2021年3月期は2,015億円の赤字 新幹線の利用減響く

N700A N700S

JR東海は4月27日、2021年3月期の通期業績を発表した。

売上高は8,235億1,700万円(前年同期比55.4%減)、営業損失は1,847億5,100万円、経常損失は2,620億6,400万円で、最終損益は2,015億5,400万円の赤字だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、売上高は半減した。通期で赤字となるのは、民営化後初めて。

輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は181億9,900万人キロ(同66.3%減)、在来線は64億1,100万キロ(同31.9%減)となった。運輸業と流通業では大幅な営業損失を計上した一方、不動産業やホテル・旅行業では営業利益を計上した。

同期には東海道新幹線には新型車両N700Sを投入し、「のぞみ12本ダイヤ」などで輸送力を強化した。ネット予約・チケットレスサービス「エクスプレス予約」「スマートEX」のサービスを拡充したほか、新たな旅行スタイル「ずらし旅」を提案するなど、営業施策も強化した。リニア中央新幹線は、山梨県内の高架橋などで本格的な工事に着手している。

2022年3月期には、東海道新幹線ではN700Sの追加投入を進めるほか、「エクスプレス予約」や「スマートEX」の利用拡大、在来線の通勤型電車315系の営業運転開始や次期特急車両HC85系量産車の新製に向けた準備を進める。売上高は1兆2,340億円、最終損益は900億円の黒字を見込む。