IATA、中央席の空席義務化を推奨せず コスト上昇による”お得な旅の時代終焉”を警告

2020年5月9日 土曜日 4:24 午後

JAL(ボーイング787-8型機、国内線仕様機)

国際航空運送協会(IATA)は5月5日、航空機内で乗客と乗員にフェイスカバーやマスクを着用させる取り組みを支持し、中央席を空席とする措置を義務化することを推奨しないことを明らかにした。

機内での新型コロナウイルスの感染リスクは低く、乗客と乗員のマスクの着用はさらにリスクを軽減させることにつながると同時に、座席の使用制限をすることによりもたらされるコストの増加を回避できるとしている。

アレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務局長兼CEOは、「航空機内での伝播のリスクは低いことを示唆する証拠がある。また、乗客によるフェイスカバーの着用や、乗務員がマスクを着用するなどの対策を講じ、一層の保護を強化します。私たちは、乗客に飛行機に乗ることへの自信を与え、飛行機に乗るためのコストを手頃な価格に抑える解決策にたどり着かなければなりません。どちらか一方が欠けても永続的な利益は得られません」とコメントした。

この他に、体温のスクリーニングや他の乗客との接触機会を減らす搭乗プロセス、飛行中の機内での移動制限、より頻繁な客室の清掃、簡素化された食事提供といった取り組みも提案されている。

IATAの非公式な調査では、主要18社での新型コロナウイルスの機内感染が疑われる事例は3件で、全て乗客から乗員への感染だった。乗客から乗客への感染が疑われる事例はなかった。乗客は前方を向いており、対面での交流が限られていることや、客室の空気の流れなどが影響しているものと考えられるという。

また、中央席を空席とすることを義務化した場合も、平均的な座席幅が50センチ未満であることから、社会的な距離を保つために推奨されている1〜2メートルの距離を保つことはできないという。さらに、中央席を空席とすることによって、最大搭乗率をこれまでの62%に抑えることとなり、航空業界の損益分岐点の平均とされる77%をはるかに下回る。これによって、地域によっては運賃が43%から54%上昇するとした。

ジュニアック事務局長兼CEOは、「航空会社は生き残りをかけて戦っている。中央席をなくせばコストが上がる。それを運賃の上昇で相殺できれば、お得な旅行の時代は終わるだろう。一方、航空会社が運賃の値上げでコストを回収できなければ、航空会社は倒産するだろう。」と警告した。

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