JR東海、キハ85系置き換えのハイブリッド特急車両発表 2022年度本格投入へ

JR東海はきょう12日、2019年末に走行試験を開始する予定のハイブリッド方式次期特急車両(試験走行車)のデザインを発表した。

次期特急車両は、特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車の置き換えを見据え、飛騨・南紀地区をイメージした「和」 をコンセプトとしている。エクステリアデザインは「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」をコンセプトとし、特に先頭車の前面、上部、照明を滑らかな曲線形状にすることで「和」を表現するとともに、車両の前面から側面に繋がるオレンジ色の帯を曲線にして「躍動感」を表現した。

グリーン車は「落ち着いた上質感」をテーマとして、沿線の新緑、美しい川、夕暮れの紫の空をグラデーションで表現。内壁は落ち着いた濃い茶色の木目調とした。普通車は「明るいワクワク感」がテーマ。沿線の紅葉と、祭り・花火のイメージをグラデーションで表現し、明るい茶色の木目調の内装材を採用することで「木のぬくもり」を演出している。

客室内には荷物スペース、普通車を含む全座席にコンセントを設置。その他、温水洗浄機能付きトイレ、防音床、グリーン車にはセミアクティブダンパを採用し快適性・利便性を追求。また、客室・デッキに防犯カメラを備える。

さらに、安全性を高めるため、一体成型により溶接個所が少なくなった新型台車枠、振動検知装置を導入した。車両・地上間でデータ通信を行い、車両状態のデータを車両基地等に送信し、メンテナンスに活用することで異常の発生を抑制する。

今後、2019年末から1年間を目途にハイブリッド技術の確立に向けた基本性能試験、長期耐久試験等を行い、2022年度をめどに量産車を投入する計画。