イントレピッドCEO、「全利害関係者に最善の形でスカイマーク再建がなされるべき」 デルタ航空はコードシェアに意欲

IMG_5564

イントレピッド・アビエーションは7月15日、スカイマーク再生債権者計画案のメディアブリーフィングを都内で開催し、イントレピッド・アビエーションのフランクリン・プレイ最高経営責任者(CEO)、デルタ航空の森本大日本支社長、大江橋法律事務所の上田裕康弁護士、長島大野常松法律事務所の小林信明弁護士出席した。

プレイCEOは、「スカイマークの再生は、債権者、スカイマーク、従業員、消費者など、全ての利害関係者の利益となる最善の形で再建がなされるべきである。ANAホールディングス(ANAHD)がスポンサーとなり支援する再生債務者案ではこれを実現できず、また、大口債権者の支持を得られずにスカイマーク自体が清算されてしまう可能性がある。最大の大口債権者の責務としてスカイマーク再建を成功に導くため、代案として再生債権者案を提示した。また、この席において、スカイマーク再建に必須となる大手ビジネスパートナーとしてデルタ航空を紹介できたことをうれしく思っている。8月5日開催の債権者集会において、我々の再生債権者案が可決されることを望んでいる。」と述べた。

上田弁護士は、「通常の民事再生では、再生債務者が再建案を提示する場合は、ほとんどの再生債権者の同意を得て提示するのが通例だが、今回は議決権で9割以上を占める債権者が再生債務者案に賛同できない状態で再建案が提示され、異例な状況に至っている。この状態では再建案が否決され、スカイマークが破たんする恐れがあると認識できたため、イントピレッドは再生債権者案を提出した。スカイマークは、寡占状態にあった日本の航空市場を変革するため、今日まで努力されてきた。消費者視点でも、羽田空港の発着枠は、再生債務者案のスポンサーである全日空と日本航空の大手2社の系列が9割以上を占めている中、スカイマークは10%を保有し、健全な競争に寄与している。スカイマークが独立第三極として日本の航空市場に留まることは大きな意義がある。スカイマークと従業員のこれまでの努力を無に帰さない形としていきたい。今回の説明会に先立ち開催した債権者説明会には、81社133名に出席いただいた。」と述べた。

森本支社長は、「デルタ航空は独自の航空ネットワークを保持・運航しており、機会があれば、日本国内にネットワークを持つ定期航空会社との提携を常に模索している。スカイマークは、国内主要都市に優れたネットワークを構築している国内第3位の航空会社であり、提携候補の1社だったが、独自の予約システムを構築していることやマイレージプログラムがないなど、デルタ航空が考えるサービス水準と一致しない点が多く、候補から外れてきた。しかし、今回は状況が変わっていると考えている。スカイマークは、再建プロセスでサービス・プログラムの改善を検討されていると考えており、デルタ航空はこの取組みを支援することができる。デルタ航空もスカイマークが独立第三極であり続けることには大きな意義があると考えている。まだスカイマークとは具体的な話し合いを行えていないが、機会が得られれば、スカイマーク再建に寄与したいと考えている。」と述べた。

デルタ航空がスカイマーク支援する場合のコードシェアの在り方について、森本支社長は、「デルタ航空は成田空港、スカイマークは羽田空港を中核としており、短期的には路線連結は難しいと認識している。支援案でのパートナーシップは中長期的なもので、将来実現できるものと考えている。無論、連結できる路線があるならば、積極的にコードシェアを行っていきたい。」と、羽田空港発着便での接続に含みを持たせたほか、想定出資比率は、「日本の航空法では、外国航空会社の本邦航空会社への出資比率は最大33.3%と規制している。スカイマークへの出資が可能となった場合は、日本の航空当局ともよく相談し、規制範囲内で出資することとなる。」と述べた。

スカイマークの事業継続のための運転資金の手当について、上田弁護士は、「スカイマークは独自のキャッシュフローも保持しているはずであり、運転資金が枯渇するとは考えていない。仮に運転資金が枯渇した場合は、イントピレッドやデルタ航空が協議、不足分の手当する形となると想定できる。」と述べた。

スカイマークがイントピレッドとのリース契約を解除したエアバスA330-300型機の取り扱いは、「再生債務者案が提示された当初、イントピレッドはANAHDへ計7機のA330-300型機のリース契約を打診した。仮にリース契約がまとまれば、イントピレッドの債権額は削減でき、他の債権者への充足も高めることができた可能性もある。しかし、ANAHDからはリース契約の同意を得られなかったため、代案として再生債権者案を立てることが必要となった。なお、再生債権者案にはA330-300型機のリース契約の有無は計画の内に含まれていない。また、デルタ航空ともリース契約に関する交渉を行ってきたが同意に至っていない。引き続き、他の航空会社も含め、交渉を継続していく」と述べ、リース契約解除による経営への影響については、「イントピレッドの経営、財務には影響はない。」とプレイCEOは強調した。

インテグラルとの関係について、上田弁護士は、「我々の再生債権者案が可決・認可されれば、現在、スカイマーク、インテグラル、ANAHDとの間で締結されている株主間契約等は、通常、白紙に戻されることとなる。そのため、現段階ではスカイマーク、インテグラルとは交渉できない状態であるが、契約が説かれた後は、第三者としてインテグラルと改めて交渉する可能性はある」と述べた。