【スクープ】JALの中長距離LCC、ブランド名は「ZIPAIR」に

日本航空(JAL)が全額を出資して設立した、中長距離線格安航空会社(LCC)のティー・ビー・エル(T.B.L)のブランド名が、「ZIPAIR(ジップエア)」になる見通しであることがわかった。

これは、同社が2月19日付けで取得したドメイン「zipair.co.jp」から判明したもの。担当者情報には同社の企画マーケティング部所属の2名の情報が掲載されている。ティー・ビー・エルではこれまで、運航乗務員の募集をJALのドメイン内で行っており、同社名義で取得したとみられるドメインは「zipair.co.jp」のみとみられる。

なお、「zipair.jp」と「zipairtokyo.jp」「zipair.net」「zipair.us」「zipair.club」は、2月18日付でブランディングなどを手がけるマークアイが取得している。フィッシング詐欺などを防ぐために、類似ドメインは取得するのが一般的で、マークアイがティー・ビー・エルの商標取得やブランディングなどを請け負っているとみられる。「co.jp」で終わるドメインは、1法人につき1登録までに制限されていることから、マークアイが取得できなかったようだ。

zipは、「ビュッと音をたてる、元気よくやる、疾走する、勢いよく進む、迅速に動く、迅速に行動する、~に元気を与える」などの意味がある。zipという名称はかつて、エア・カナダ傘下の簡易サービスを提供する航空会社として存在しており、2004年9月に運航を停止している。この他には、中世・近世ヨーロッパの地誌に現れていた東方の島国、日本のことを示す「ジパング(Zipangu)」によるものであるのではないかとの憶測もある。

ティー・ビー・エルは2018年7月に設立。社名は仮称で、「To Be Launch」の頭文字から取った。本社は成田空港のJAL成田オペレーションセンター内に置いている。資本額は9億8,000万円、うち資本金は4億9,000万円。全額をJALが出資した。代表取締役社長には、JALの経営企画本部長付部長だった西田真吾氏が就任している

JALは航空機の取得や運転資金として、特別成長投資枠の500億円のうち230億円を投資する。機体は既存のボーイング787型機2機導入し、エコノミークラスを横9席などに改修し、アジアや欧米線などを中心に2020年夏スケジュールから運航を開始する見通し。

ティー・ビー・エルは3月上旬にも、国土交通省に航空運送事業許可(AOC)の申請を行い、正式な社名を公表することを予定している。(リンクを含む、記事の一部を修正しました)

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