内陸国の“ラオス鉄道”に乗ってみたら、“まんま”中国の鉄道だった件【レポート】

ラオス2日目は朝6時、泊まっている市内南部のホテルから、中国ラオス鉄道のビエンチャン駅に向かう。駅までは中心地から約30分かかる。路線バスが列車の発着にあわせて運行されているが、宿泊したホテルはバスに乗るには不便な場所であったので、先述した「Loco」でビエンチャン駅まで乗りつけることに。

ビエンチャン駅は、とにかく巨大という印象を持たせる。中国形式の駅舎はもともと巨大なのだが、周囲になにも無かったことから、尚更巨大に感じる。この当時は1日3便(出発3列車・到着3列車)のみの設定だったが、列車はほぼ満席で、送り迎えの人もあわせて駅周辺は相当の人の数だ。早速駅舎の中に入る。駅舎に入るには、身分証+乗車券のチェックと、手荷物検査があるので、(切符売り場を除き)乗車する人しか立ち入れないのも中国流だ。

同じフロアに駅入口と改札、それにホームがあるシンプルかつバリアフリーな構造。中は、中国国鉄と同じく、人でごった返していた。中に入っても売店はほぼなく、レストランなどもない。ベンチに座って時間をつぶすくらいしかやることがないので、改札口には改札開始30分くらい前から徐々に列ができ、あっという間に大行列に。並んでいる人からは結構な頻度で中国語から聞こえるので、雰囲気は中国国鉄そのもの。

ビエンチャン駅の場合、改札開始は発車の約20分前。中国国鉄とは異なる様式のきっぷを1人1枚もち、人力の改札で、係員の持つスマートフォンによりきっぷ上のQRコードを読み取られ、ホームに向かうことができる。

ホームは10両ほどの列車をしっかり収容できる広さはあるが、ベンチや売店などはなにもないので、普通の乗客はすぐに列車に入る。筆者も写真撮影を終えて車内に入ると、乗車率は9割程と盛況だった。

ビエンチャンからはルアンパバーン行の区間列車が1往復と、国境の町ボーテン行の列車が2往復運行している。今回はボーテンまで、中国ラオス鉄道のラオス区間を、往路は動車組(CR200J型電車)で、復路は客車で乗り通すことにしている。

内陸国であるラオスの車窓は、風光明媚で飽きない。絵の中の世界かと勘違いするほど、切り立った山の風景が広がるところもあり、牧歌的にのどかな田舎の風景もある。山がちな地形にさえぎられて通信環境が芳しくないので、景色を眺めてアナログな列車旅に没頭したい。

乗客の流動は、各停車駅ごとにある程度あるものの、ラオス第二の都市ルアンパバーンでほとんどが入れ替わった。ビエンチャンとルアンパバーン間を結ぶ最も定時性の高い交通機関としての存在感が大きいようだ。

筆者はヴィエンチャンからルアンパバーン方面に向かい、中国との国境の街ボーテンまで乗り通している。動車組では約4時間ほど、客車列車では5時間ほどかかるので、食堂車でなにか摘まみたくなるところだが、あいにく往復ともに食堂車の連結はなく、往路の動車組のみ売店の連結があっただけというのが寂しい。中国と本格的に直通運転したら、乗車時間も最長で半日弱になるので、供食設備の充実を期待したい。

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