ANA、ハワイで音楽イベント「ANA Aha Mele」開催 植樹活動も実施

全日本空輸(ANA)はホノルル市とともに、ハワイ州ホノルルの野外コンサート会場「TOM MOFFATT WAIKIKI SHELL」にて音楽イベント「ANA Aha Mele」を11月19日に開催した。

▲ダイヤモンドヘッドの麓にある「TOM MOFFATT WAIKIKI SHELL」

「ANA Aha Mele」は、2019年に開催された「ANA HONOLULU MUSIC WEEK」をリニューアルしたイベント。「Aha Mele」とは、ハワイで「音楽会」という意味を持ち、入場無料ということもあり、現地在住者のほか、旅行者も多く足を運んでいた。

▲入場無料のイベントとして開催

ライブは午前と午後の2部構成で、午前はピアニスト辻井伸行さんによる演奏と現地小学生との音楽教室。午後はウクレレ・ファウンデーション・オブ・ハワイが2009年から主催している「ウクレレピクニック・イン・ハワイ」で、地元ハワイのミュージシャンのほか、日本からはサザンオールスターズのベーシストで、ウクレレ愛好家としても知られる関口和之さんの「関口バンド」に、ギタリストの野村義男さんが加わり演奏を行った。

辻井さんのパートでは、好天に恵まれハワイらしい日差しと心地よい風に包まれながら、世界トップのピアノ演奏が響き渡る実に爽快で贅沢なライブとなっており、会場に訪れたハワイ在住者や旅行者などを楽しませていた。

ステージには、地元の小学生たちも登壇。辻井さんの真後ろと特等席で辻井さんの演奏を楽しんだほか、子どもたちが弾いたピアノの音を辻井さんの絶対音感で再現したり、二人の子どもがリズムに合わせて弾いている音に合わせて、同じピアノで辻井さんが即興でメロディーを奏でたりといった、コラボレーションも行われた。

▲インタビューを交えつつ、クラシックの名曲を演奏

▲辻井さんと地元の小学生とのコラボ

午後の「ウクレレピクニック・イン・ハワイ」では、ハワイアンミュージックを愛する国際色豊かなアーティスがライブを行ったほか、トップミュージシャンも輩出している地元ウクレレ教室の子どもたちも演奏を披露。夕暮れまで3時間半にわたってハワイアンミュージックをたっぷりと堪能できた。

▲関口さん(左)は午後の部のMCも担当

▲地元ウクレレ教室の子どもたちによる演奏

関口バンドのパートでは、メンバーの関口和之さんとケツメイシやファンキーモンキーベイビーズのプロデュースを担当しているベースのヤナギマンさんに加えて、野村義男さんとハワイのトップアーティスでパーカショニストのロパカ・コロンさんがジョイン。サザンオールスターズの「真夏の果実」や、ゲストとしてハワイ在住のボーカリスト植田あゆみさんも加わり「涙そうそう」といったナンバーを演奏していた。

▲関口バンド+野村義男+Lopaka Colon

▲関口和之さん

▲ヤナギマンさん

▲自身で薄いウクレレ「ウスレレ」を製作するほど、ウクレレ好きな野村義男さん

▲ロパカ・コロンさん

▲植田あゆみさん

イベントのためハワイに訪れた、ANAの井上慎一社長は、「辻井さんの演奏は、泣いている観客の方もいらっしゃって、深い感動を与えられる辻井さんの凄さをあらためて思いました。関口さんたちのウクレレの演奏では、文化継承というのを大事にされているのだなと感じられて良かったです」と、イベントの成功を喜んでいた。

またこういったイベントをハワイで開催したことに関して「五感に訴えるものがありました。嗅覚であったり、視覚であったり、聴覚もそうです。リアルの良さというのを感じて、やっぱり『来なきゃダメだな』と私自身が思いました。これからこのリアルの持つ素晴らしさを日本の皆さん、世界の皆さんにお伝えしていきたい」と、ハワイを初めとする就航地へ実際に旅行者を届けたいという思いを伝えていた。

ANAではイベントにあわせて、Hawaiian Legacy Reforestation Institutionの協力のもと2019年の「ANA HONOLULU MUSIC WEEK」で実施したミロの木の植樹活動を今回も実施。ミロの木は、ウクレレの本体素材としても使われる樹木で、ミロの1本で家族4人が1週間現地に滞在した場合の酸素を供給できる。そこでイベント開催期間(2日間)とエアバスA380型機「FLYING HONU」の定員(1機あたり520名)にちなんで、今回は273本のミロの木を植樹している。

▲ANA職員によるミロの木の植樹が行われた

▲「ANA Aha Mele」会場では環境に配慮し、ペットボトルの飲料水ではなく水飲み場で使うように紙コップを配布していた

井上社長は「ハワイに関しては、地方創生に似ている。交流人口もいいのですが、関係人口を増やしていくことが重要。今回のような植樹を毎年行うことで、ハワイに来れば来るほど、ハワイのお役に立てるわけです」と説明。コロナ禍以前は「オーバーツーリズム」が社会問題となっていたが、コロナ後にはコロナ前に戻るのではなく、ANAは新しい「旅行」の形を目指し、その第一歩となるようなイベントとなっていた。