JR東海、建設中のリニア神奈川県駅で住民向けPR 黒岩知事、開業「現実味帯びてきた」

JR東海は、神奈川県相模原市に建設中のリニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)で、近隣住民に向けたプロジェクションマッピングイベントを行った。同新幹線の工事現場における住民向けの大規模イベントは初めて。10月1日から4日までの4日間で計約2,600名が訪れた。

地下に構築される神奈川県駅では現在、地中の掘削工事が進行中。全体の進捗は3割ほどで、逆台形の掘削斜面が露出している。今般のイベントはこの法面をスクリーンに見立て、縦15メートル、高さ30メートルのプロジェクションマッピングを行うというもの。リニア中央新幹線のコンセプトムービーと駅工事の概要紹介映像をはじめ、施工を担当する企業や自治体が制作した短編映像も投影された。

会場にはこのほか、掘削で発生した高さ約6メートルの盛土に登ることができるコーナーや、工事に使用する重機の展示ブース、施工会社や自治体のPRブースを用意。訪れた住民らは、盛土の安全性についてスタッフから説明を受けたり、重機の前で写真を撮ったりしてイベントを楽しんだ。

▲建設現場を視察する神奈川県の黒岩祐治知事(左)とJR東海の金子慎社長(奥)

イベント初日となった10月1日は、JR東海の金子慎社長や神奈川県の黒岩祐治知事らが会場を訪れ、プロジェクションマッピングの点灯式を行った。映像を見た金子社長は、「迫力がありわくわくした。イベントを通じて、中央新幹線の事業や工事について理解を深めていただきたい」と話した。黒岩知事は「工事が着々と進んでいることを肌で感じた。リニアが通るのは遠い先のことだと思っていたが、現実味を帯びてきた」と期待感を示した。

リニア中央新幹線は品川〜新大阪駅間のうち、品川〜名古屋駅間285キロの先行開業に向けて整備が進められている。品川〜名古屋駅間には神奈川県駅、山梨県駅、長野県駅、岐阜県駅(いずれも仮称)の4駅が設置される。

▲神奈川県駅の施工ヤード。17メートルの深さまで掘削が進んでいる

▲工事現場とプロジェクションマッピングを見学する住民ら

▲PRブースでスタッフから超電導リニアの説明を受ける女の子