航空券3往復とホテル3泊で36,000円 HafH×JALの航空サブスクを使い倒した【レポート】

観光向き? ワーケーション向き? 見えぬコンセプト

羽田空港第1ターミナル・北ウイング閉鎖

サービス紹介では「いつもの旅とは違う“新たな旅のスタイル”をHafHとJALが応援します。どう使うかは、あなた次第。多様な“移動”のあり方を、ぜひ私たちに教えてください。」とあるが、サービス開始時の8月は減便ばかりで自由に便を選ぶことが難しかった。1日1〜3便程度に便数が絞られているため、「あなた次第」ではなく「JALがどれだけ運航してくれるか次第」だったのが率直なところだ。

筆者は当初ワーケーションを目的に、宿のチェックインに合わせた航空便を予約したいと思ったが、例えば宮古を目的地とした場合、往復の利用便は、往路は宮古に午前10時ごろに到着する便、復路が午後7時過ぎに出発する便に限定される。

宮古島内の移動は路線バスが便数が少なく、観光客向けではなく不便なので、レンタカーの移動にほぼ限定される。レンタカーを利用すると運転して島内を回りたくなってしまうので、ワーケーションをする時間は、宿に滞在している間のみとなってしまった。

ホテルもアーリーチェックインなどのオプションが用意されていないため、宮古空港では長時間の時間つぶしが困難で、必然的に移動を強いられる。着いてそうそう、ワーケーションはあきらめて観光にシフトせざるを得ない。行程の自由度が制限されてしまっている中で「移動のあり方を教えてほしい」と言われても、無理があるのではないか。

次の問題としては、1人利用を前提とした「航空サブスク」では、観光もしづらいという点だ。

1人旅には慣れている筆者だが、割り勘出来ないゆえに、レンタカーを利用すると予想以上に現地での滞在費、ガソリン代などがかさむ。せっかく現地までお得に行けたのに、ガソリン高騰なども重なって、現地で予想以上に滞在費がかさむのは辛い。1人旅であれば鉄道や乗り合いバスなどで観光しやすくする仕組みも欲しかったというのが、(贅沢かもしれないが)率直なところだ(宮古島の観光の場合、個人的にはレンタルバイクがおすすめだが、天候が良いときに限る)。

そうでなくても、青春18きっぷのように、1人で3回旅行に行く権利に限らず、3人で1回旅行に行くこともできるような、3回(人)分の権利を提供するサービスでも良かったのではないかと感じる。1回は1人で利用して、残った2回分は2人で旅行…とできれば、旅行の可能性は大きく広がったのではないか。

あくまで実証実験として、一定の制約を設けた旅行プランを提供し、現地での過ごし方を利用者に委ねるというのは悪くない。今後のサービス展開に期待したい。

案内不足が露呈する場面も…

サービスを利用していると案内が不十分だと感じることもあった。

今回のサービス提供では、利用者は「HafH」が設けたサブスクの事務局を通して、ジャルパックに対してツアー(航空券+ホテル)の予約を行う。この予約の際、汎用フォームを埋める形で予約をすることになり、空席・空室状況は事前に確認できない。新型コロナウイルスの感染状況によって減便・運休・時間変更が行われているが、これらの状況も反映されていない。さらには、比較的利用しやすい臨時便は選択することができない。

利用時に事務局に問い合わせたところ、事前に臨時便のリクエストをメールで連絡すれば対応するとのことだったが、もう少し案内があってよいのではないかと思わずにいられなかった。

そして、もう1つ案内に不十分な点があったのは、「空席・空室があれば予約できる」わけではないという点だ。あくまでジャルパックが予約を行うため、希望する航空便の空席があり、希望日程でホテルに空席があっても、ジャルパックが確保している座席・客室に在庫がない場合は、予約することができないこともわかった。この点も利用者に対して周知することなくサービスを提供しており、正確な情報を利用者に伝えるべきだっただろう。

第2弾はあるのか…?今後のサービスに期待

miyakojima

後半は少々辛口のコメントが続いたものの、今回の「航空サブスク」サービス自体には、主に価格や独自性を良く評価出来るサービスであり、問題点は改善を期待したい。

「HafH」運営のKabuK Styleとピーチ・アビエーションが提携し、ピーチが販売する1か月乗り放題チケット「Peachホーダイパス」をHafH会員向けにも販売するなど、様々な動きを見せている。彗星のごとく現れたサービス「HafH」の今後の展開からは目が離せなさそうだ。

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