総重量470キロ 本物の東上線運転シミュレーター客室、浅草東武ホテルに登場

浅草東武ホテルに10月8日、東武鉄道の訓練用運転台を設置した「運転シミュレータールーム」が登場する。当初はデイユースプランのみの設定で、1日1室限定で10月1日から予約受付を開始する。

同ホテルの一室。ドアを開けて中に足を踏み入れると、50000系をイメージしたオレンジが鮮やかなベッドスローと、大きな運転台が目に飛び込んでくる。この運転台は、2013年から志木乗務管区で習熟訓練用として使われていた50070型のもの。今年8月に役目を終え、このホテルに貸し出された。

訓練用ではあるが、マスコンハンドルや速度計などの機器は本物と同じ。モニターには東上線池袋〜小川町駅間の上下線の風景がCGで再現さ、普通・急行の種別や、出発駅や出発番線、閉塞区間ごとのATC制限速度、先行列車など、様々な条件・環境を設定できる本格派だ。基本的な操作を解説した運転マニュアルは用意されているが、対象年齢は12歳以上を想定している。ゲームと違い、停車駅の予告や停止位置までの距離などのサポートが一切ないため、運転は一筋縄ではいかない。感覚を掴むにはある程度のやりこみが必要そうで、「おこもりステイ」にはぴったりかもしれない。

このシミュレータールームは、10月8日に開業1周年を迎える同ホテルが記念企画を検討する中で、「電鉄系ホテルだからこそできること」として発案されたという。広さ36平米のデラックスフォースルームを活用し、ベッド2台を撤去したうえで、幅1,790ミリ、重さ470キロのシミュレーターを約半日で搬入した。鉄道ファンに向けた部屋ということで、客室内には50070型をイメージした特注のベッドスローや、8000系8111Fのクッション、実物の方向幕表示器などの装飾も用意した。予約開始を前に、鉄道好きの子を持つ親などからすでに問い合わせが入っているという。

午後1時チェックイン、午後5時チェックアウトのデイユース利用限定で、1室定員2名で10,200円(税込)。設定期間は10月8日から11月4日まで。毎週金曜から翌週木曜までの予約を前週の金曜正午から受け付ける。初回分の予約開始は10月1日正午となる。なお、11月5日以降は宿泊プランを設定する予定だという。

▲枕木をイメージした浅草東武ホテルのエントランス