「Microsoft Flight Simulator」で今年旅行するはずだった場所へ飛んでみた【コラム】

自由に海外旅行ができなくなってしまった今、異国の地に思いを馳せている旅人は多いのではないか。筆者もその一人で、今年予定していた海外旅行は全てキャンセルになってしまった。未だに航空券が払い戻しされていないことよりも、海外へ出ていけないことが一番悲しい。

そうした中、今年8月にPCゲーム「Microsoft Flight Simulator」が発売された。その名の通り様々な飛行機を操縦することができるゲームだ。地球全体が3Dで構築されており、3万7000カ所の空港、200万の都市、15億軒の建物、本物の山、道路、木、川、動物などが緻密に描かれている。このゲームの中では南極や北朝鮮など世界中どこでも飛行することができる。

航空券が払い戻しされる見通しが立たない中、財政難であるにも関わらずこのゲームのために高性能パソコンや周辺機器を購入してしまった。筆者が実際に予約していた航空会社と路線でフライトしながらこのゲームを紹介する。

最初はエールフランスのエアバスA320neoでポルトガルのリスボンへ向かう。パリでエールフランスに乗り換えてリスボンへ向かう予定だった。機体塗装はエアバス社の公式塗装がデフォルトとなっているが、フリー素材をダウンロードすれば様々な航空会社の塗装に変更することができる。航空券はバウチャーに変更したため、返金が1年後となってしまったことが悔やまれる。

パリ/シャルル・ド・ゴール空港は手作業でデザインされた空港となっており、再現度は高い。そのほかにも羽田空港やロンドン/ヒースロー空港など一部の空港は手作業でデザインされている。

ここはリスボンの西部にあるユーラシア大陸最西端のロカ岬だ。ここから大西洋に沈む夕陽を眺める予定だった。雲の量や時間を自由に設定できるため、このように夕陽を再現させることができる。

リスボン空港へ着陸する。着陸時は機体姿勢や速度の維持など、操作の難易度が高いポイントだ。様々なアシスタント機能があり、推力の自動調整や着陸時に滑走路までのコースを表示することもできるので、習熟度に応じて活用すると良いだろう。

続いてアエロメヒコのボーイング787-10型機でペルーのリマへ向かう。メキシコシティで乗り継いでリマへ向かう予定だった。南米への旅行を2回予定していたが、キャンセルになった航空券総額30万円が払い戻しされる日は来るのだろうか。

夜間飛行は長距離国際線の醍醐味と言える。エンジンの音もリアルに再現されているため、巡航中の心地よい音を楽しめる。

このように客室からの視点に切り替えることもできる。筆者は、窓からの冷気に凍えそうになりつつも地上より星が近くに見える窓側の席が好きだ。普段通路側を選ぶ人でもトイレの心配をせず景色を楽しめる。

コックピットからの視点は特に低い高度で迫力がある。各種計器もリアルに再現されており、マウスで操作することができる。

このゲームをPCでプレイするためにはグラフィックボードが必須だ。PCの推奨スペックに関することは他のサイトを参考にしてほしい。マウスやキーボードだけでなく、ジョイスティックやスラストレバーなどを使用するだけで操作性は大幅に向上する。

ゲームとは思えないほど景色はリアルで、グラフィックボードの進化によって3Dゲームの真髄に迫っていると言えるだろう。バグの修正など軽微なアップデートやグラフィックを向上させる大型アップデートが頻繁にあるため、今後もクオリティの向上が期待できる。

今年はこれらの場所へ行くことができなかったが、「Microsoft Flight Simulator」をプレイしたことでいつか必ずリベンジしたいという思いが強くなった。安心して海外旅行ができるようになる日を思い浮かべながら遊んでみてはいかがだろうか。自分の足で異国の地を歩き回れる日が待ち遠しくなるだろう。