一休とヤフートラベル、宿泊施設から不適切徴収の手数料を全額返金 十数億円規模か

一休は、宿泊予約サイト「一休.com」と在庫連携する「Yahoo!トラベル」を利用する宿泊施設から徴収している送客手数料のうち、不適切に徴収していた決済手数料にあたる部分を、7月22日に遡って返金することを各宿泊施設に通知した。

一休は契約上、現地決済では10%、事前決済では13.5%の送客手数料を徴収している。3.5%相当額は事実上、クレジットカードで事前決済される際の決済手数料であるにも関わらず、Go To トラベルキャンペーンによる政府からの補助額にも、本来は必要ない手数料を徴収していることを本誌が12月5日付けで報じた後、業界団体などが問題視し、観光庁や一休に改善を申し入れていた。一休側は12月9日に各施設に対し、2021年1月以降に発生する決済手数料部分を徴収しないことを通知していた

あくまで、「Go To トラベルキャンペーンの一時停止という状況を鑑み」た特別措置であることを強調しており、不適切な送客手数料の徴収について、お詫びの文言はなかった。返金額は少なくとも十数億円程度に及ぶとみられる。

複数の関係者によると、事態の改善には、業界団体と一休側との複数回の面談による交渉が功を奏したという。一休側は顧客還元の原資となっており、宿泊施設側が恩恵を受けることを強調した一方、業界団体側は税金を原資とした顧客の囲い込みは競争環境を歪め、不適切であると主張していたようだ。別の関係者は、顧客還元の強化により、一休の取扱高が前年比6倍にまで膨らんでいることを明らかにしている。

一休は、ヤフーなどを傘下に持つ、Zホールディングスの子会社。ヤフーは、Go To トラベルの事務局業務を受託しているツーリズム産業共同提案体の協力団体の1社でもある。一休の広報担当者は、可及的速やかに支払うとしたものの、時期は確定していないと話した。取扱高や返金総額についてはコメントを控えるとしている。

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