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エア・ドゥ、初の女性パイロット誕生 北海道出身の27歳
AIRDO(エア・ドゥ)初の女性パイロットが、11月18日に誕生した。
初の女性パイロットとなったのは、北海道江別市出身の星奈津美さん(27)。札幌西高校、北海道大学理学部地球惑星科学科卒業後、航空大学校に63回生として入学。2018年11月に卒業し、エア・ドゥには2019年1月に入社した。2019年11月から副操縦士任用訓練を開始し、座学やシミュレーター訓練の後、今年6月には下地島空港で実機訓練、8月から3ヶ月間の路線訓練を行い、11月12日にボーイング737型機の副操縦士任用審査に合格している。
星さんは、大学4年生の時にパイロットを目指すことを決意。「せっかくパイロットになるなら地元を飛びたいという思いがあった」ことがエア・ドゥに入社した動機だという。「北海道は雪の影響を受けやすく、飛行機の運航には過酷な地域でもあり、絶対に必要な地域でもあるので、確実に一便一便を確実に運航していけるよう、技量を磨いていきたい。同僚の乗員からも温かい言葉をかけてもらえることも多かった。会社にも貢献して恩返しできれば。」と抱負を述べた。
星さんには同日、龍神恒夫運航本部長から辞令が交付され、その後、東京/羽田発札幌/千歳行きのADO25便(乗客61名)、札幌/千歳発東京/羽田行きのADO28便(同80名)の1往復に乗務した。
フライトを終えた星さんは、「無事に終えてホッとしている。初めてのフライトで、緊張して管制官との交信が早口になって噛んでしまう部分があり、反省点。」と自己採点では平均の50点を付けた。機長として乗務した佐野浩樹乗員部長は、「採用のときから彼女を見ている。勉強熱心で、4人の中で一番早く副操縦士になった。よくサポートしてくれてベテランパイロットのようだった。この調子でいずれは機長になっていただきたい。」と、95点の高評価だった。
エア・ドゥには、機長55名、副操縦士56名が在籍。そのうちボーイング767型機の機長は25名(機長要員1名含む)、副操縦士は25名、ボーイング737型機の機長は30名(同2名含む)、副操縦士は31名だという。訓練生は副操縦士要員が9名、オペレーションの部署での地上研修中が9名。航空大学校からは卒業のタイミングに合わせて採用試験を行っており、他の操縦士養成を行う私大などからも、年間8名以上の訓練生を採用。来年度以降も継続していくという。会社側は新たに女性パイロットの採用に合わせ、新たに制服を用意したほか、身体検査の担当に女性を加えた。今年4月にも女性訓練生を航空大学校から採用している。
乗客を北海道のどんなところに連れていきたいかという質問に、「釧路湿原や阿寒湖、広い分いろんなエリアに自然の魅力がある。特に地元民として一番好きなのは、積丹岬、神威岬などのなかなか知られていないスポットもあるので、もっと情報発信を頑張っていきたい」と答えた星さんは、パイロットとして北海道と各地を結ぶ架け橋となる。