自動運転で搭乗口へ JAL、羽田空港で世界初の移動サービス

JAL WHILL

日本航空(JAL)は7月1日、パーソナルモビリティを手掛けるWHILLと、日本空港ビルデングと共同で、羽田空港で自動運転車椅子を活用したサービスを開始した。

JALが取り組む最新技術を活用した空港サービス「SMART AIRPORT」の一環。従来の車椅子は利用者自身または介助者が操作して移動する必要があるが、今回開始したサービスでは自動運転で人の手を借りずにターミナル内の移動が可能となる。空港における自動運転車椅子の導入は世界初だという。セルフ移動により新型コロナウイルスの感染リスクを減らすという狙いもある。

JAL WHILL

サービス開始当初は3台の自動運転車椅子を導入する。利用者自身が車椅子に付属の端末を操作して、第1ターミナル南ウイングの保安検査場B付近から、出発エリア南端の3〜7搭乗口まで移動できる。最大時速3キロで走行し、搭乗口には約5分で到着する。

JAL WHILL

車椅子にはあらかじめターミナル内の地図データが記録されているため、利用者の操作は行き先の選択のみだ。センサーで周囲を検知しながら走行し、人の飛び出しなどがあった場合は自動で停止する。搭乗口に到着して利用者が降りると、再び自動運転で出発地点まで自ら戻っていく。

JALによると、普段車椅子を利用しない人でも、全長約800メートルの第1ターミナルでは移動に不安があり、車椅子での移動を希望するケースがあるという。このサービスの対象は車椅子利用者を想定しているが、特に利用者の制限はないため、対象搭乗口に向かう人であれば誰でも利用できる。利用料は無料。

今回は南ウイングのみでの提供となるが、JALは今後、日本空港ビルデングと調整のうえ北ウイングでも導入を進めていきたいとしている。

JAL WHILL
▲背面に荷物を置ける

JAL WHILL
▲利用者自身が端末で行き先を選択

JAL WHILL
▲現在はゲート3〜7が対象

JAL WHILL
▲行き先を選ぶと、自動運転を開始する

JAL WHILL
▲到着し、車椅子を降りると60秒後に自動で返却が開始される

JAL WHILL
▲自動運転で出発地点に戻る