ANA、ボーイング777F公開 搭載重量倍増で輸送力強化へ

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ANAホールディングスが日本の航空会社として初めて受領した貨物専用機、ボーイング777F型機がきょう13日、メディアに公開された。

ANAホールディングスは、航空機エンジンや半導体製造装置、リチウムバッテリ-や医薬品などの危険品・特殊品を大量に輸送できる大型貨物機として、ボ-イング777F型機2機の導入を決定。初号機(機体記号:JA771F)は5月24日に羽田空港に到着しており、7月2日から東京/成田~大阪/関西~上海/浦東~東京/成田線で運航を開始する。その後、10月からは東京/成田~シカゴ線に投入する計画。

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北米に生息する青い鳥「アオカケス」を意味する「BLUE JAY」の愛称が付けられ、機体左側にはそれをモチーフにしたロゴマークがあしらわれている。機内には、貨物室とコックピットの間に輸送関係者用の座席を4席設置。ギャレー等の設備もあり、機内食も提供できる。

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現行のボーイング767F型機と比較して、貨物室の高さは約1.2倍の3メートルに拡張。大型化により、これまで搭載できなかった20フィートパレット(荷役台)に対応し、搭載重量は約2倍の102.01トンとなった。また、実用航続距離は約1.5倍の9,070キロとなり、米東部までノンストップで就航できる。

現在の貨物輸送では、日本〜アジア間にはボーイング767F型機を導入しているものの、日本〜北米間では旅客便のベリースペース(貨物室)を使用しており、アジア各国から日本を経由した北米向けの貨物輸送においては日本〜北米間がボトルネックとなっている。ボーイング777F型機を北米線に投入することで、このインバランスが解消されるという。

ボーイングによると、アジア〜北米間の航空貨物市場は今後20年間で年平均4.6パーセントの大きな成長が見込まれている。ANA Cargoの杉口広取締役は、「777Fを投入することで、しっかりとその成長に乗っていきたい」と意気込みを見せた。

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