ボーイングCEOが声明を発表 2機墜落、安全の重要性を強調

ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼最高経営責任者(CEO)は、現地時間3月18日に「ボーイングCEO デニス マレンバーグから皆様へ」と題した声明を発表した。

エチオピア航空とライオンエア機の墜落事故による、ボーイング737 MAXの運航停止に関し、「ボーイングは安全を第一に考えています」と、原因を究明し、「このような事故が二度と起こらないよう全力を尽くしてまいります」とした。

事故原因を特定するため、エチオピア航空機のボイスレコーダーとフライトレコーダーの解析作業を進めている。離陸から間もなく墜落している点など、ライオンエア機の事故と類似点が多く、機体を制御する「MCAS」と呼ばれるシステムに原因があるとの見方が強まっている。

声明全文(日本語訳)は以下の通り。

2019年3月18日 シカゴ発 私たちは人の命に関わる仕事をしており、全社員が責任感を持って日々の業務に取り組んでいる。ボーイングが常に目指しているのは、家族や友人、かけがえのない人たちが、私たちの航空機を使って、安全に旅をし、大切な時間を過ごしていただくこととなる。エチオピア航空302便とライオン・エア610便の痛ましい事故はすべての人に衝撃を与え、世界中の人々がこの悲しみを分かち合っている。私たちも大変心を痛め、亡くなられた乗客・乗員のご遺族・ご友人の皆様に改めて心よりお悔やみを申し上げます。

ボーイングは安全を第一に考えている。私たちの航空機で安心して旅をしていただくことは、常に変わることのない価値であり、すべての人に対する責任でもあります。この安全性の追求という最重要課題に、航空業界全体が一丸となって取り組んでいる。ボーイングは今回の事故に対する調査で、航空会社や国際規制機関、各国の規制当局に協力して原因を究明し、このような事故が二度と起こらないよう全力を尽くしてまいります。ライオン・エア610便の事故から判明している事実とエチオピア航空302便の事故から収集されているデータに基づき、私たちは737 MAXの安全性を確保するための対応策を講じていきます。また、同機の運航の一時停止により、航空会社と乗客の皆様にはご不便をおかけすることをお詫びいたします。

現在、エチオピア航空の事故の詳細を明らかにするために、コックピットのボイスレコーダーとフライトデータレコーダーからの情報を迅速かつ徹底的に解析する作業を進めている。ボーイングの技術チームは現場での調査に協力し、技術的な情報を提供している。エチオピア事故調査委員会が、さらに詳細な情報をいつどのようなかたちで発表するかを判断します。

ボーイングは100年以上にわたって航空の安全に携わってきました。そしてこれからも世界中の航空会社とパイロットの皆様に最高の製品、訓練、支援を提供し続けていきます。これは、安全な航空機をより安全なものにしていくという取り組みとなる。近日中に、ライオン・エア610便の事故から明らかになった問題を解消するソフトウェア・アップデートを実施し、関連するトレーニングをパイロットに提供する。ボーイングは昨年10月のライオン・エアの事故以来、ライオン・エアとエチオピア航空の事故に関連するすべての問題について、米連邦航空局(FAA)、米運輸省、米国家運輸安全委員会(NTSB)に全面的に協力している。

ボーイングは全社にわたり、私たちが設計、製造、サポートする航空機の品質と安全性の向上に注力している。私は30年以上ボーイングで働き、素晴らしいお客様やスタッフと一緒に仕事に取り組んできました。そして私は、皆が持つ責任感の強さを共有している。最近、私はワシントン州レントンの737型機生産施設を訪れ、チームメンバーの仕事に対する誇りと今回の悲しい出来事に対する悲痛な思いを感じました。私たちの仕事には誠意と卓越性が最大限に求められます。チームはその重要性を認識しており、休むことなくそれを追求している。

私たちのミッションは、人々と国々をつなぎ、自由をまもり、世界や宇宙を探訪し、航空宇宙の次なる担い手にインスピレーションを与えることとなる。私たちの価値をまもることで、そのミッションは実現され、だからこそ、安全性は何よりも重要なのとなる。皆様にボーイングを引き続き信頼していただけるよう、一丸となって努力を続けてまいります。

ザ・ボーイング・カンパニー
会長、社長兼CEO
デニス マレンバーグ