【スクープ】”存在しない部屋”を販売する海外大手宿泊サイトのカラクリ 年末年始に「部屋なし」問題大量発生も懸念

何より恐ろしいこととして、このまま年末年始を迎えた場合、全国各地で「ホテルに行ったのに部屋がなかった」というトラブルが全国各地で発生することは避けられない。恐らく宿泊予定日の数日前には施設都合による強制キャンセル通知と返金処理が行われているはずだが、多くのユーザーが通知メールや予約確認画面を確認せず、予約手続きは完了していると誤認したままホテルを訪れるケースが多いと考えられるからだ。今年1月の成人式で問題となった「はれのひ」問題の比ではない大規模な事件になる可能性すらある。お正月に家族が旅先でホテルに泊まれず、代わりの宿泊施設も見つからず路頭に迷う姿を想像すると事態の深刻さがお分かりいただけるだろうか?しかも、こうなってもサイトは一切悪者にはならない。事件の矢面に立つのはホテルのフロントスタッフなのだが満室のホテルにはどうすることもできない。だからこそ注意喚起をしたい。下記に思い当たる予約をされた方は、すぐにホテルに連絡して確認することをお勧めする。

(1)海外宿泊予約サイトから、一室のみ空いていた部屋を予約した
(2)返金不可、2泊以上限定など、高額で不利な条件だった
(3)予約確定通知が来ない

そしてここが重要だ。ホテルに連絡して、万一予約が入っていなかったからといって、キャンセルボタンは決して押してはならない。自己都合でキャンセルすると、あなたが事前決済した宿泊料金は全額没収されてしまうからだ。また、少ない確率ではあるが、サイトが本当に部屋を用意してくるかも知れないので、別のホテルを慌てて手配することも控えて欲しい。まずは事実確認の上、ホテルやサイトと相談して円満な解決策を探るしかないのだ。

宿泊関係者として被害者を救済したい気持ちはあるのだが、ホテルには手の届かないところで堂々と行われている詐欺的な行為を我々は正すことができないのだ。もちろんサイトに調査の要求と抗議はしているのだが、現時点で、サイト側は「現象は認めるが責任は認めない」という態度であることも伝えておく。まずは、不自然な空室情報を見つけた場合、大手サイトだからといって信用して飛び付かないように、特に普段ネット上での宿泊予約に慣れていないユーザーに対して最大限の注意を喚起したい。

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