トランスアジア航空、解散を正式発表 乗客や社員ら保護のため緊急タスクフォース設置

トランスアジア航空

トランスアジア航空は11月22日、取締役会で解散を決議したと発表した。きょうより全面的に運航を停止する。

2014年7月の緊急着陸失敗事故、2015年2月の墜落事故により財務状況が悪化し、身売りなどを検討してきたという。今年第3四半期までの業績は22億台湾ドル(約76.5億円)の赤字で、今後についても悲観的な見通しを示した。トランスアジア航空では現在の段階で会社の解散を決断することで、乗客や従業員、取引先などへの必要な保護を提供することができるとした。乗客への返金や社員の退職金、債務返済などのための緊急タスクフォースを設置している。

林明昇董事長は、「弊社の現資産額が負債額よりも大きく、ステークホルダーである旅客、ビジネスパートナーの利益に対し必要な保証が可能である事が重要、多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしましたことに対し深くお詫び申し上げます。また弊社は1951年設立した最初の台湾民間航空会社であり、ご利用、ご支援いただいた多くのお客様に対し航空業廃止の最後の日まで責任を全う致します。」とコメントしている。

トランスアジア航空は1951年、台湾初の民間航空会社として台北で設立。台北/桃園、台北/松山、高雄、台中、花蓮、大阪/関西、東京/成田、札幌/千歳、函館、旭川、仙台、福岡、上海/浦東、上海/虹橋、徐州、長沙、武漢、天津、合肥、重慶、杭州、福州、厦門、南寧、張家界、無錫、マカオ、済州、釜山、シェムリアップ、チェンマイ、バンコクに就航もしくは就航を予定していた。2013年にはVエアの前身となる会社を設立し、2014年末に運航を開始したものの、今年9月に運航を停止し、1年間の休業期間に入っている。2014年7月の緊急着陸失敗事故、2015年2月の墜落事故で顧客離れが指摘されていたほか、傘下の格安航空会社(LCC)であるVエアの大幅な債務超過も経営悪化に拍車をかけていた。

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