「セントレアはお手本となる空港」 エアアジア・ジャパン、井手隆司会長講演【全文書き起こし】

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次に2018年ですね。ここで登場するのは(エアバスA)330となる。先ほど皆さんにお話した通りで、単通路(機)の航空会社とそれから複通路(機)の航空会社があるということでお話しした。エアアジア・ジャパンはエアアジアグループの中で唯一、両方の航空機を運航する航空会社として成立させようと思っております。これは単通路を使ってで近距離国際線、インバウンド、これで事業の安定化を図りつつ、今度は330の複通路大型機材を使って、日本のアウトバウンドを形成させていこうと思っております。そのためには、今まで日本のLCCもそうですが、近距離の国際線でしのぎを削っている。まあ正直言ってあまり利益にならない。競争が激しいために、労多くして利を得ずという状態が今後続くと思う。そのためにもエアアジアグループの単通路はエアアジアグループのシナジー効果を使って、インバウンドに特化させることによって、より多くのインバウンドを誘致しつつ、なおかつアウトバウンドの戦略は、LCCが今まで飛んだことがない太平洋、この路線に進出しようと思っております。明確にマーケットのセグメントを分け、インバウンドとそれから日本のマーケットのアウトバウンドを明確に交通整理することによって、効率的に、効果的に成長を遂げられるようなビジネスプランに置き換えております。

ちなみに2018年には中部からシンガポールにまず330が充分に飛べると同時に、これはあのETOPS(イートップス)と言いまして、太平洋を飛ぶ時、例えばハワイの時ですね。180分のETOPSと言いまして、飛行機が飛んで何か起こった時に180分以内に降りられるような、そういう体制を作らないとなりません。実際には60分というのが基本としてありますが、これを180分にしていくというのや、その体制づくり、申請、許可、大変な時間がかかります。一時は地上支援を受けられるように、シンガポールですと60分だと思いますので、このシンガポールに最初に飛びながら、180分に変えていくことによって、太平洋線に基礎作り。簡単に言えばエアバス330の大型機材は、中長距離用の基礎作りだという年に位置づけをします。2018年でおよそですねこれで11機体制になりますが、100万人を超えると思います。

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次、2019年、これで加速していきます。この年は加速の年と位置づけしていますが、エアバス(A)320を12機体制、(A)330を4機体制にします。そしてここで我々はホノルルに進出します。そして先ほどお話しした太平洋路線、LCCとして初めて太平洋路線で勝負していきます。LCCの基本的な成功方程式というのは、大手さんが飛んでいる高い運賃のマーケットを安い航空運賃で、ビジネスを獲得していく。基本中の基本ですね。太平洋路線はLCCさんは1社も日本経由して飛んでおりません(編集部注:ティーウェイ航空の関西経由グアム線があります)。そこはビジネスの勝算ありと思っております。この年からは先ほど言ったシンガポールは台北をハブ化することによって、台北からの以遠権で東南アジアのネットワーク作りをやろうと思っております。基本的に320は東南アジア、330はアウトバウンド用の日本のマーケットに対して中長距離の位置づけをします。もっと言うとエアアジア・ジャパンXということで、どっかで聞いたようなグループ名ですが、そういう意味合いでビジネスプランの整理をして参ります。

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さあいよいよ2020年となります。ここでほぼほぼ完成形に近づいて参ります。エアバス(A)320、これを14機体制、そしてエアバスの(A)330を6機体制、20機体制になります。ここでだいたい170万人の出発ベースでのお客様を送客することになります。ベースとなるのはだいたいロードファクター75%平均、グループ全体で78%平均ありますので、コンサバティブに見て75%と思っております。単価、平均単価も路線によりますが、11,000円〜15,000円で平均をしますと、この年で約40便ほど飛ぶことになりますが、売上にして500億円を達成することができる。ただしですね、ここでお話したいのは、約170万人のお客様のうち、おそらく100万人ほどがインバウンドになってまいります。100万人もインバウンド、できれば中部で観光していただきたい。少なくとも2泊3日、宿泊、飲食、お土産、まあ一人5万円ぐらい使うとして、中国の爆買いは平均して14、15万とも言われていますが、コンサバティブに見て5万円を使っていただければ、そうすると500億円というお金をエアアジア・ジャパンで来られたインバウンドのお客様が落としていただくと思っております。さらに発展すればそれが倍になる、もしくはエアアジア・ジャパンと同じような考え方を持った航空会社が2社、3社出てくれば、その分中部のほうにお金が落ちる、そういう仕組みになると思う。ただし、残念ながら事業としてやれなくなればすぐ撤退ということになります。そうならないためにも、確実に利益の上がるビジネスプランでないと、なかなか中部をベースを航空会社になりません。そのためには皆様にお願いしたいことが多々ございます。

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ひとつはみなさんにお願いしたいのは、まずセントレアは日本の中心ということですね。実は我々も悩みました。中部でビジネスをやるときにインバウンドでどのような攻め方をするのが良いのだろうと。実際に私もこちらに来るようになりまして、驚いたことに、とにかく羽田〜中部でもほぼ満席ですし、それから空港周辺のホテルもほぼ満室となります。外国人ばかりですね。確かに手応えはありますが、数字的に見ると、やはり関東や関西と比べて低いとなる。それをエアアジア・ジャパンとしてはもっと広げていかなければなりません。

いいですか、ここ大切なんですが、日本の中心なります。中心を活かすために、ぜひ皆様のほうで海外に発信していただきたいのは、日本の中心なのでどこに行くの便利ですよ、便利な空港ですよというプロモーションを。簡単に言えば、一時は地域を無視してもですね、関西、例えば外国人に人気がある京都、大阪、奈良、富士山、それから東京、こういったところはセントレア空港から行くと便利ですよ、JR東海があって便利ですよ、名鉄があって便利ですよ。まずは大切なのはセントレアを使っていただくことだと思います。ここにお客様が来ることによって横軸(大阪ー名古屋ー東京)を使います。

今度はですね、来ていただいたらこれはチャンスです、そこで売り込みをかけます。先ほどJTB中部の松本社長からもお話がありました通りで、実は次に訪れる、リピーターになってもらう時に、セカンドビジットで、この中部を売り込んでいくことで、縦軸(昇龍道や北陸などへの縦移動)ですね。中部、北陸全体的日域として、広範囲な広域観光連携をすることによって、横軸でまず中部、セントレアを使っていただく、そして日本の中心の空港で便利ですというプロモーションをかけてきていただいて、そこで売り込みをかけて縦軸に持っていく。そうすることによって、さらに中部にお客様が留まるような仕組みを作っていく、これが必要だと思う。ぜひまずはセントレア空港のの至便性、利便性、日本においての。これを私どもエアアジア・ジャパンとともにマーケットに伝えていき、インバウンドに特化した政策を我々はエアアジア・ジャパンとしてとって参りますので、グループ全体一緒になる。そしてセントレアにまず来ていただくことですね。そしてそこで充分な観光の情報、次回、もしくは今回来たけれども、ついでに寄っていこうかなと。この効果を狙って中部を売り込んでいく。そうすれば充分に中部経済の中において、観光は大きな目玉になるのではないかというふうに思っております。そういう意味でも私どもお願いしたいのは、まずはプロモーション、セントレア空港のプロモーション、地域の観光は置いておいても、ここをしっかり。次に利便性を考えますと、例えばJR東海、名鉄さん、近鉄さん、いわゆる陸路ですね。ここが連携することによって、一時は横軸を使うことになりますが、縦軸やそれからエリアごとに足であり、これはあの、我々日本人が欧米に行くとそうですね。どの海外でもそうですけれども、アクセスなかなかわかりづらい、そして高い。こういったところをですね、連携し強力しあうことによって、より良く観光に来られたお客様が日本を感じていただき、リピーターになっていただくような環境づくりをぜひしていただければというふうに思っております。長々とちょっと話してまいりますが、私の願いは一つだけでございる。エアアジア・ジャパンはですね、「メイドイン中部」、ここで宣言いたします。中部国際空港に軸足をしっかりと、そして我々は不撤退の覚悟でこれから就航させ、そしてエアアジア・ジャパンを発展させたいとそのように思っております。

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本日は誠にありがとうございました。

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