「セントレアはお手本となる空港」 エアアジア・ジャパン、井手隆司会長講演【全文書き起こし】

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例えば規定が定められていない。これは104条で運航、整備の規定をちゃんと承認を得ない限りは飛行機は飛べないとなっている。当然規定を作るとそれに合わせた体制を作らなければなりません。これも充分ではない。一番大きいのは、ここに書いていないのですが第103条にありますが、安全管理規定、安全管理に関するところで、充分な体制を持たずに実は就航を目指していた。つまり本来あるべき姿というものはまず安全管理の仕組みを作って、そして運航、整備、ここの規定をしっかり作り込んで、そしてAOC、これを取って、そして102条にあります、施設検査。これは運航管理等の施設を十分に行える、できるという確認をお国のほうからしていただいて、初めて飛ばすことができる。ところが順序が逆で、先にAOCありき。これは新聞でご存知のように、これはAOCが取れた、飛行機が来た、飛ぶんだ。でも私が年末に来た時に、まだ飛行機はずっと地上におり、何ヶ月も放置されてています。

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実はですね、まずこの飛行機を飛べる状態にしないといけません。スケジュールを大幅に変更しております。実はやっと目処が立って、明日(2月16日)、やっと飛行機が飛べる状態になる。ここまで実は大変会社として苦労したのは、何ヶ月も寝ているために、地上で、まあ皆さんもお分かりだと思う。人間もそうですね。入院が長くなりますと、足腰が弱って参ります。飛ばすためには、または人間がその入院を終える、リハビリが必要ですね。そのリハビリはどうやってやるんだと。

実は前例はいくつかあります、航空会社の中には長年飛べずに置いておいて、そして飛ばすためにどうしようかと。私も前の会社で経験しておりますので、その知識は持ちつつもですね、非常に残念だなと思うのは、これを動かしてしまうともっと厳しい飛行機の整備が待っている。なんとしても飛行機が飛べる状態にしなければならない。その状況をきちっと環境を整えるためには、4月1日の就航は到底無理となる。私もこの会社引き受けた時に、まず点検した時、真っ先にこれでは下手したら年内、年内というのは2016年に飛ぶこともできないだろうなと。私の感触から言うと、日本の航空会社を作っているよりは、エアアジアの日本支社のような、そういうイメージを持っていただくとわかると思う。それでは航空法上では、日本のJAナンバーをつけた飛行機が飛ぶことが出来ません。仕組みを全て組み替えました。そのためにですね、実は明日、もし実地試験ができましたら、3月の15日から6月の中旬くらいまでを乗員の実機訓練に使いる。ここも充分に余裕を持たせている。実はですね、シミュレーターでライセンスを一応確保しておりますので、実機は長いこと触っておりません。そのために徐々に徐々に慣らして行かなければなりません。そしてその間に4月中旬くらいに先ほど申し上げた102条にありますけれども、運航管理施設等検査、これを合格しなければなりません。これを合格した後にですね、自主的に今度は就航に向けた実証これをを行う。これはノーマルとそれからイレギュラーが発生した場合に分けて、実際にお客さんが乗ることを想定しての訓練およびですね、実証飛行を局の審査を受けてクリアしていきます。これを終えるのはですね、おそらく6月の末。

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それからですね、課題があるとすれば、充分時間を取って、この課題を取り組んで、私の経験から言ってもおそらく2016年の夏、この夏が精一杯現実的に就航できる日にちだと思う。先ほども何度も申し上げたように、エアアジア・ジャパンはこの2年間ほど、紆余曲折、右行ったり左行ったりしながら迷いながら、迷走しながらもAOCは取れた。AOCはあくまでも航空事業者としての事業計画とか、そういった生産体制の計画を一応承認いただいたというだけで、飛ばすための実力はまだ持っていなかった。そこに一番大きな問題ですね。この体制を明確に整えるためには、これだけの時間とそれからその場合に私の心情としては、絶対無事故である航空会社を作らなければなりません。どんなことがあっても安全管理体制を構築した後に、自信を持って就航させたい。ここをいい加減で飛ばしてしまうと、事故につながりかねません。いつまでたっても就航できない。飛べる体制をしっかりと構築していきたいと思う。そのためにですね、私どもは会社のですね、理念を大幅に変えました。

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一番最初に一番大事な安全理念となる。これは安全を最優先としてますけれども、どんなことがあっても安全管理体制を敷いて、安全を企業の基盤、これを明確にする事によって、今度は安全こそ企業文化ということで、現在、今、社員に安全教育を行っています。一人ひとりが安全管理体制の下における安全理念を持たない限りにおいては、事業の展開は大変難しいと思います。

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