国交省「極めて遺憾」、LCC2社に厳重注意 尾翼検査せず運航継続

国交省は10月9日、LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパン(JJP)とエアアジア・ジャパン(WAJ)に対し、本来点検すべき水平尾翼の一部点検を実施せずに運航していたとして厳重注意を行い、原因調査と再発防止等を指示しました。

国交省,ジェットスター・ジャパン,エアアジア・ジャパン

10月9日、国交省より厳重注意を受けたエアアジア・ジャパンとジェットスター・ジャパン Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner


検査漏れが判明したのは、耐空性改善通報(TCD)により求められているエアバスA320の水平尾翼上部駆動装置。
対象機材は、ジェットスター・ジャパンがA320-232型機17機のうち7機、エアアジア・ジャパンA320-214型機とA320-216型機4機のうち3機で、定期的な検査が一部行われないまま、ジェットスター・ジャパンは最大で約8か月、エアアジア・ジャパンは最大約7か月運航を継続。
エアアジア・ジャパン,A320,JA01AJ

エアアジア・ジャパンのエアバスA320型機 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

点検を怠った経緯として、ジェットスター・ジャパンとエアアジア・ジャパンの技術部門が古いマニュアルを使っていたため、当該箇所の検査が項目から外れていたという。
国交省は「極めて遺憾」と両社に対し、厳重に注意。耐空性改善通報について、その処置の適切性及び実施状況を早急に点検するとともに、今後、このような事態が発生しないよう原因の究明と必要な再発防止策を検討のうえ、10月23日までに文書での報告を指示しています。
ジェットスター・ジャパンについては国交省が2012年11月16日、確認主任者の資格管理等の徹底についても厳重に注意。しかし、これ以降も整備規定どおりに技術部門の業務が行われない実態や、航空機部品の不適切管理、不適切な整備の委託管理などが国交省航空局の安全監査等を通じて判明しています。
ジェットスター・ジャパンでは「お客様の信頼を得られるよう、根本原因の追究と再発防止策を講じ、安全管理体制の強化を図って参る所存です」とコメント。エアアジア・ジャパンも「管理方法を見直す等、必要な措置を十分に講じ、再発防止に努めて参ります」としています。