東急電鉄ら4社、首都高の維持管理システムを保線に応用 伊豆急行線で実験へ

東京急行電鉄(東急電鉄)と伊豆急行、首都高速道路(首都高)、首都高技術の4社は、首都高グループが開発した道路構造物の維持管理システム(インフラドクター)を活用した鉄道保守新技術「鉄道版インフラドクター」の共同開発を行う。道路維持管理システムを鉄道に適用した取り組みは日本初。

インフラドクターは、レーザースキャンで得られる3次元点群データとGIS(地理情報システム)を連携させることで、異常箇所の早期発見や構造物の3次元図面作成などができ、構造物点検の作業や維持補修計画の立案などの効率が大幅に向上するシステム。

鉄道版インフラドクターの共同開発に向けて、今週から伊豆急行線全線(伊東~伊豆急下田間)を対象に実証実験を実施する。レーザスキャナやカメラを搭載した移動計測車両「MMS(モービルマッピングシステム)」を鉄道台車に載せ、レール上からのレーザ計測で「レールの形状」「トンネルの内面形状」「橋梁の上部形状」「レール周辺の斜面」「プラットフォームの形状」などの計測を行う。また、2018年度中に東急線内での実証実験も行う予定。

4社は、今回の実証実験を機に、計測・運用方法や精度をさらに向上させて鉄道の新しい技術として事業化するほか、空港など他分野の技術開発も行うとしている。