3代目にっぽん丸、35年の歴史に幕 後輩船に別れ告げ、横浜に最後の入港

商船三井クルーズのクルーズ船「にっぽん丸」が5月10日、最後の運航を終えて横浜港大さん橋国際客船ターミナルに入港した。約35年にわたって日本のクルーズ文化を牽引してきた名船の引退に、ターミナルの屋上広場には別れを惜しむ多くのファンが詰めかけた。

3代目にあたる現在のにっぽん丸は、三菱重工業神戸造船所で建造され、1990年9月に就航。全長166.6メートル、全幅24メートル、総トン数22,472トン。2010年と2020年の二度のリニューアルを経て、客室数190室、最大定員422名となった。商船三井クルーズによると、2025年3月まで(以降のデータは未公表)の34年半で、総クルーズ数は2,000回以上、累計乗船者数は約60万人。寄港地数は国内外400都市以上にのぼり、総航行距離533万2,383.964キロは地球約133周分に相当するという。

最後の航海となった「ファイナルクルーズⅡ 3日間」は、5月8日午後5時に横浜港大さん橋国際客船ターミナルを出航。伊豆諸島・新島付近まで航行し、10日午前9時に同ターミナルAバースに入港した。入港時には、Bバースに停泊していた「MITUSI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)」と長い汽笛を交わし合い、別れを告げた。

▲にっぽん丸 内田幸一船長

到着後のセレモニーで登壇したにっぽん丸の内田幸一船長は、「にっぽん丸が引退を発表してから、発着地や寄港地で多くの方々から『ありがとう』『さようなら』『お帰りなさい』と温かい言葉をいただいた。にっぽん丸は全国の皆様の心の中でまだまだ走り続ける」と挨拶。「私はにっぽん丸での体験すべてが宝物。お疲れ様、にっぽん丸。忘れないよ、にっぽん丸。ありがとう」とこれまでの活躍を労った。

▲2024年12月1日に就航した三井オーシャンフジ

商船三井クルーズは2023年10月に、新たなクルーズブランド「MITSUI OCEAN CRUISES」を発表。その第一弾として三井オーシャンフジを2024年12月に就航させ、にっぽん丸との2隻体制で運航してきた。にっぽん丸の引退後は一時的に1隻体制となるが、9月19日には第二弾の「MITSUI OCEAN SAKURA(三井オーシャンサクラ)」が就航し、再び2隻体制に戻る。

商船三井クルーズによると、引退後のにっぽん丸は売却される予定だという。

▲横浜市立港中学校の生徒から花束を受け取るにっぽん丸の内田船長、火置将一機関長(写真中央)、福元剛ゼネラルマネージャー(写真右)

▲花束を掲げる福元ゼネラルマネージャー

▲内田船長から横浜市港湾局の新保康裕局長に記念盾を贈呈