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国際航空運送協会(IATA)は、2026年の航空業界の利益率が3.9%に改善するとの見通しを示した。スイス・ジュネーブで開催中のIATAグローバル・メディア・デー(IATAGMD)で明らかにした。
2026年の総収入は1兆530億米ドル(2025年比4.5%増)に伸長する見通し。営業利益は728億米ドル、純利益は410億米ドルを見込んでいる。GDP成長率は3.1%で概ね安定し、インフレ率はやや鈍化、世界貿易の伸びは0.5%と弱含むことを予測している。
旅客1人あたりの利益は7.9米ドルで、サプライチェーン問題や地政学的な対立、世界貿易の停滞などの中では前年と同レベルの堅調な数字を見込んでいる。ウィリー・ウォルシュ事務総長は「業界全体として資本コストを上回る利益を恒常的に稼げていない。iPhoneのカバーを売るほうが多く稼げる」と指摘した。これまでは、コーヒー価格に例えて表現されていた。
旅客数は52億人(同4.4%増)、旅客収入は7,510億米ドルで、付帯収入として1,450億米ドルを予想する。イールドはほぼ横ばいで、平均座席利用率は過去最多の83.8%を見込む。
コストは燃料費が2,520億米ドルに減少し、原油価格は1バレル62米ドル(同11%減)、ジェット燃料は同88米ドル(同2.4%減)を見込む。高コストのヘッジが期限切れを迎え、実勢価格に近い平均調達価格が実現できる見込み。平均機齢が15年超と過去最高になることで、燃費改善は1%に留まる。持続可能な航空燃料(SAF)の購入にかかる追加コストは45億米ドル、供給量は240万トン(全体の0.8%)を予測する。
非燃料コストは7,290億米ドル(同5.8%増)で、人件費の上昇がインフレ率を上回る。従業員の生産性は2019年水準への回復に苦戦し、生産性の向上を人員増のスピードが上回る状況となる。整備費も機齢の上昇やサプライチェーンの混乱により上昇する。
米ドル安により、米ドル建てコストを多く抱えるものの、米ドル建て収入が相対的に少ない航空会社の利益を押し上げる効果を見込む。IATAの推計では、米ドル安が1%進むことで、世界の航空会社の最終利益を約1%改善させる効果があるという。
アジア太平洋地域では、純利益は66億米ドル、純利益率は2.3%、旅客1人あたり利益は3.2米ドルを見込む。旅客需要は堅調で、中国とインドが拡大し、観光の活発化と中間層の拡大が下支えする。国際線の回復が相対的に遅く、供給過剰状態が続くことで、イールドに下方圧力を加える。座席利用率は84.4%と過去最高を見込む。(取材協力:IATA)