ANA、国際線特典航空券で減額マイル お得な使い道・セールの狙い目は?【コラム】

おすすめ路線はこれだ!

NH/ANA ボーイング787-8 JA838A

欧州線は羽田発着の深夜便があるフランクフルト、ウィーン、ミラノ、ストックホルムの各路線は、時間を有効活用できるのがよい。イスタンブールも午前8時台と早い出発ながら、直行便の魅力はある程度あるだろう。

ただ、欧州旅のプランニングは要注意だ。このANA国際線特典航空券は、海外での他社便への乗り換えを含むことができないため、乗り継ぎで直行便が就航する都市以外へ移動した場合、遅延や欠航などによる乗り継ぎできなかったなどは、自己責任になる。

一方で、ある程度余裕を持てる旅程なら、オープンジョー(複数都市滞在)の旅程も面白いかもしれない。例えば、東京→ミラノとイスタンブール→東京をANAの国際線特典航空券で利用し、ミラノ→イスタンブールを別の航空会社で移動するというのも面白い。ちなみにミラノ→イスタンブールはLCCで最安1万円未満で移動できる。

せっかくの欧州旅、複数都市周遊にして、便利な便を宝探しのように探してみてはいかがだろうか。

個人的な感情が含まれるが、パースは旅行先としておすすめだと思う。豊かな自然と程よく成熟した都市構造、物価も日本と比べてそこまで高くない。日本人旅行客が少なく、のびのびと観光ができる穴場の旅行先ではないだろうか。

東京/羽田~香港線は深夜便が復活する。正直、フライト時間が2~4時間程度で、睡眠をとるには厳しい路線ではあるが、時間を有効活用して異国を味わいたい人にはお勧めだ。

対象路線・対象期間は限定されているため、ANAの公式ウェブサイトで確認してほしい。設定されている路線や期間をみると、ANAがマイルを使った特典航空券の客に乗ってほしいと考えている意図が見え隠れするのが面白い。ぜひその意図もくみ取りながらプランニングしてみてはいかがだろうか。

国際線特典航空券が片道で利用可能、国内線は各1回追加可

全日本空輸 ANA/NH

6月から、ANA国際線特典航空券の片道利用が可能になった。今回の減額マイルキャンペーンも、片道でも利用できる。

一方で、国際線特典航空券で利用できる国内線が、往復1回ずつになった。以前紹介した、国際線2区間と国内線最大4区間を組み合わせた特典航空券は利用できなくなっているので要注意だ。

思わぬ落とし穴? 片道ずつ予約したほうが安い?

NH/ANA ボーイング787-9 JA882A

今回の国際線特典航空券の減額マイルキャンペーン、思わぬ落とし穴があるかもしれない。それは、燃油サーチャージについてだ。日本発と海外発では金額が異なる。

日本発着の片道あたり、ハワイを除く欧米・中東・オセアニア線は23,100円としている。一方で、海外発の同路線は、95米ドル、88ユーロ、74ポンドとなっている。1米ドルを150円として計算すると14,250円となり、海外発では約9,000円安いことになる。

このため日本発の場合、往復で特典航空券を発券するより、片道ずつ発券したほうが安いことがある。

ただ、安いからと飛びつく前に考えねばならないことがある。一つは、往路が遅延欠航などのトラブルが発生した場合、復路を別で購入している場合、往復まとめて購入した場合と、振替などのサポートが異なる可能性がある。さらに旅行をキャンセルする場合、手数料は購入・発券した予約ごとに生じる。往復まとめて購入した場合に比べ、片道ずつ発券した場合、キャンセル料が2倍かかることになる。

こうしたデメリットがあるものの、欧米・オセアニア線などでは燃油サーチャージの差額が大きくなるため、ぜひ購入・発券する前に確認はしてみてよいのではないだろうか。

あらためておさらい 増便と片道利用に注目

ANA 羽田空港

お得な使い道・セールの狙い目に注目して、今回のANAの国際線特典航空券の減額マイルキャンペーンを取り上げた。

羽田空港第2ターミナル・国際線

マイルを特典航空券として有効活用するためには、搭乗したい便に空席がある必要がある。そういった意味では、ここ数年で増便をした路線や、今年増便する路線などで空席を確保するのが狙い目だ。ミラノ・ストックホルム・イスタンブールの羽田発着欧州3路線や、香港線深夜便、パース線などを取り上げた。

また、限られた休暇を有効活用する意味では深夜便が魅力的だ。香港線や、ウィーン、フランクフルトなどの路線も注目したい。

ホノルル線はエアバスA380型機の大きなキャパシティが特徴。オフシーズンの特典航空券は取りやすいだろう。

羽田空港第2ターミナル

これらの路線の空席状況をにらみながら、もう一つ気にしたいのは、片道利用がお得かもしれないという点だ。

ANAの燃油サーチャージは、日本発と海外発で金額が異なる。このため、片道ずつ購入・発券したほうが安い可能性がある。

また、海外発の航空券は、海外の物価を基準に計算されるため、ANA利用に限定しなければ、マイルを使わないで、よりお得な航空券を入手できるかもしれない。

片道ずつ購入をした場合、キャンセルなどで制約があるかもしれない。自己責任であることを留意しつつ、お得に旅をするために可能な範囲で工夫できるとよいだろう。

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