きっぷ紛失の心配なし チケットレス化で便利になった「ぷらっとこだま」を活用せよ! 

「東海道新幹線に安く乗る方法ってない?」

筆者は知人からよくこんな質問を受けるのだが、そんなときにおすすめしているのが、JR東海ツアーズが発売する旅行商品の「ぷらっとこだま」だ。その名の通り、各駅停車タイプの「こだま」利用限定だが、普通に東海道新幹線に乗るよりも割安に移動できる。

例えば東京・品川駅発なら、名古屋駅まで8,810円、京都駅まで10,790円、新大阪駅まで11,210円。通常料金で自由席に乗る場合、それぞれ10,560円、13,320円、13,870円なので、約20%もお得だ(いずれも通常期料金)。

N700Sグリーン車

グリーン車利用ではさらに割引率が上がる。「グリーン車指定席プラン」なら、名古屋駅まで9,720円、京都駅まで12,120円、新大阪駅まで12,470円。通常料金はそれぞれ14,750円、18,720円、19,270円(「ひかり」または「こだま」利用の場合)なので、約35%お得になる。

これに加えて、駅売店などで使えるドリンク引換券(アルコール飲料にも使える)が付いてくるので、さらに200〜300円お得とも言える。

「こだま」の利用ということで時間がかかるほか、繁忙期は条件が異なるため、いかんせんビジネスや帰省には向かないかもしれないが、旅行やライブの遠征などで使ったことがある人は多いだろう。

東海道新幹線 N700A

近年ではネット予約サービス「スマートEX」などによるチケットレス化が進む中、これまでぷらっとこだまは券売機で紙のきっぷの発券が必要という一手間があったのだが、3月1日からついにチケット化され、利便性が上がった。

新幹線できっぷを紛失したエピソードがSNSで話題になっていたが、チケットレスならそんな心配もない。チケットレス化により、他にもいくつかのメリットが加わった。品川駅から名古屋駅への移動で使ってみたので、レポートを残しておく。

実際に使ってみた

新・ぷらっとこだまの予約は、ジェイアール東海ツアーズのサイトから。予約できるのは乗車1か月前の10時から前日の午後11時30分までで、乗車当日は買えない。ちなみにリニューアル前は前日の午後10時までだったので、購入期限が少し延びた。チケットレス化に伴い、スマートEXの会員登録(無料)が必須となっている。「エクスプレス予約」会員でもOKだ。

チケットレス化の一番のメリットは券売機に立ち寄る手間がなくなったということだが、今回のリニューアルで個人的に嬉しい変更点が、座席指定が可能になったこと。これまでも窓側・通路側を選ぶことはできたが、例えば「10号車7番A席」のように、細かな座席指定まではできなかった。以前は特定の区画がなぜかぎゅうぎゅう詰めということもあったので、空いている車両を選べるようになったのはありがたい。

購入後はスマートEXのサイトやアプリで予約内容を管理でき、座席変更も自由自在。ただし、乗車日や時間の変更はできないので注意。

ICカードを紐づけたら、そのまま改札へ。タッチでそのまま通れるのでスムーズだ。

乗車前にはドリンク引換券を使うのを忘れずに。今回、引換券もチケットレス化されたので、財布から引換券を取り出して……という手間もなくなってラクラク。

当日中であればいつでも引き換えできるが、乗車前に使ってしまうのがベストだろう。着いてからでいいや、と思っていると大抵使い忘れる。

あとは指定の列車に乗って、食事なり作業なり睡眠なり、思い思いに過ごしながら名古屋駅まで約2時間30分。

個人的には、品川〜名古屋駅間は「のぞみ」だと所要時間が短すぎる(約1時間30分)ので、「こだま」くらいがちょうどいい。以前、車内で食べようと駅弁を買って乗り込んだのに、作業に没頭していたらあっという間に到着してしまって食べ損ねるということがあった。それくらい「のぞみ」は速い。

ちなみに、この日は袋井市でアイドルグループのコンサートがあったらしく、そのファンらしき乗客に囲まれての移動となった(掛川駅でみんな降りていった)。

到着駅でもそのままICカードタッチで出場。きっぷを紛失する心配はなくなったが、ICカードやスマホ自体をなくすと当然出られなくなるので注意してほしい。

N700S J3

というわけで、チケットレス化でより便利になったぷらっとこだま。筆者は以前からヘビーユーザーだったが、使い勝手がかなり上がったと実感した。予約後の日付や時間、区間の変更ができない、乗り遅れたら変更も払い戻しもできない、4月27日〜5月6日、8月9日〜16日、12月27日〜2025年1月5日は設定がないといった注意点はあるが、予定が確実に決まっていて、変更する可能性がないという人はぜひ活用してほしい。