68メートル、429席の“超長胴型” ANAの国内線新フラッグシップ787-10(写真29枚)

全日本空輸(ANA)は、国内線の新たなフラッグシップとして、ボーイング787-10型機を3月27日から運航する。787-10を国内線で運航するのは国内航空会社として初めて。2026年度までに全11機を導入し、現行の主力機であるボーイング777型機を順次置き換える。

787-10型機は787シリーズの最長胴型で、全長68.3メートル。置き換え対象となる777-300型機(73.9メートル)よりは短いが、777-200型機(63.7メートル)よりも長い。エンジンはゼネラル・エレクトリック(GE)製GEnx-1Bを搭載している。

ANAの国内線用787-10型機はプレミアムクラス28席、普通席401席の2クラス429席仕様で、予約画面の機種名は「78K」と表示される。777-200型機は、2クラス405席仕様(プレミアムクラス21席、普通席384席)の「772」または2クラス392席仕様(プレミアムクラス28席、普通席364席)の「722」、777-300型機は2クラス514席仕様(プレミアムクラス21席、普通席493席)の「773」となっており、座席数は777-200型機よりも増える一方で、777-300型機と比較すると2割程度少なくなる。

シートは777-200型機や787-9型機の新仕様機である「722」や「78G」と同じものを備える。プレミアムクラスは「2-2-2」の横6列。シートはサフランシート製で座席幅は約56センチ、シートピッチは約127センチ。隣席との間には大型のディバイダー(仕切り)を設置してプライバシーを確保した。個人モニターは国内線最大となる15.6インチ。リクライニングやフットレストは電動式で、手元のコントロールパネルでワンタッチでも操作できる。

普通席は基本「3-3-3」の横9列。ANAがトヨタ紡織と共同開発したシートで、全座席に電源用のUSB type-Aポートとユニバーサルタイプのコンセントが設置されている。個人用モニターは13.3インチ。

ANAは2020年2月に、777型機の後継機として787-10型機11機の発注を発表。当初は2023年秋から受領する計画だったが、ボーイングからの納入が遅れたため、初号機(機体記号:JA981A)は3月20日夜、2号機(同:JA983A)は24日夜にボーイングが工場を置く米・チャールストンから羽田空港に到着した。3号機は3月末、4号機は4月初旬に到着する見通し。

就航初日の3月27日は初号機が投入される予定で、午前10時東京/羽田発、午前11時35分札幌/千歳着のANA59便と、折り返し便の午後0時半札幌/千歳発、東京/羽田行きのANA62便として東京/羽田〜札幌/千歳線を1往復する。今後は東京/羽田〜伊丹・大阪/関西・福岡・沖縄/那覇線などの幹線に順次投入する。

プレミアムクラス

普通席