JALの777-200ER、20年の活躍に終止符 ラスト1機「JA703J」が運航終了

日本航空(JAL)で最後の1機となったボーイング777-200ER(機体記号:JA703J)が、きょう11月12日で定期運航を終えた。これをもってJALの777-200ERは約20年の活躍に終止符を打った。

777-200ERは、それまで短・中距離国際線で使われていたDC-10型機の後継機として2002年8月にデビュー。全11機が導入され、東南アジア線やホノルル線などに投入されていた。コロナ禍で事業構造が見直されたことにより、国際線からは2021年に離脱。11機のうち5機は国内線に活躍の場を移した。国際線時代にビジネスクラスだったヘリンボーン配列のフルフラットシート「JAL SKY SUITE III」はそのままクラスJに転用され、クラスJ26席、普通席286席の312席仕様で運航されていた。国内線に転用された機材も、近年になってエアバスA350-900型機への置き換えが進み、今年5月以降はJA703Jが最後の1機となっていた。

11月10日から運航最終日のきょう12日までの3日間はスケジュールが固定され、東京/羽田〜札幌/千歳線のJL505・506便、東京/羽田〜沖縄/那覇線のJL917・916便に投入された。

最終便のJL916便は午後6時10分に沖縄/那覇の26番スポットを出発。午後8時8分に東京/羽田のA滑走路に着陸すると、ペンライトを手にしたJALグループ社員に迎えられながら、同14分に11番スポットに到着した。利用客は310名(クラスJ26名、普通席280名、幼児4名)だった。

最終便は、ともに26年間777型機に乗務している内本匡哉機長と伊藤篤機長が担当した。乗務を終えて内本機長は「感無量。時刻表通りの時間に着いて、心からほっとした」と安堵の表情を浮かべ、伊藤機長は「遠くはバンクーバーやシドニーに飛んだ機体。よく20年頑張ってくれた」と長年の労をねぎらった。

▲最終便を担当した内本匡哉機長(左)と伊藤篤機長

JA703Jは今後、羽田空港で退役に伴う整備が行われ、11月19・23・25日にはジャルパックによる機体の見学会が開かれる。離日は12月12日の予定で、フェリーフライトを利用したロサンゼルス行きのツアーが計画されている。