ANA、オレンジ色の「FLYING HONU」3号機デビュー 受領から空白の2年経て

全日本空輸(ANA)は10月20日、エアバスA380型機「FLYING HONU(フライングホヌ)」の3号機(機体記号:JA383A)の運航を開始した。2021年10月13日に受領して以来、空白の2年間を経てのデビューで、成田空港では約70名のANAグループ社員がペンライトや横断幕で出発を見送った。

ハワイの夕陽をイメージしたサンセットオレンジのデザインの3号機は、当初2020年4月に受領を予定していたが、コロナ禍の影響で1年半後ろ倒しとなり、2021年10月16日にエアバスが工場を置くフランス・トゥールーズから成田空港に到着した。エアバスによると、この3号機がトゥールーズ工場から引き渡される最後のエアバスA380型機になったという。

フライングホヌの運休中、コロナ禍前にすでにデビューしていた初号機(JA381A)と2号機(JA381A)は有償の遊覧飛行イベントなどに活用されていたが、3号機は成田空港に駐機されたままでデビューの日を待っていた。

フライングホヌの運航は2022年7月1日に再開。これまでは東京/成田〜ホノルル線の週10便に初号機または2号機が投入されていた。12月6日からは同路線がダブルデイリー体制となり、毎日2便のフライングホヌが成田とホノルルを結ぶ計画だ。ANAによると、ダブルデイリー化に先立って3号機の運航準備が早期に整ったため、10月20日から投入を始めることにしたという。

初便の出発に合わせて成田空港では、初号機、2号機、3号機の3機のフライングホヌの並びが実現。記念式典では、あいさつに立ったNH182便の永岡伸夫機長が「3号機はまつげがキュートで可愛らしいのでぜひ見てほしい」と“新入り”の特徴を紹介した。ゲート前には、東京・大田区の六郷工科高校の生徒が製作した3号機のねぶたが展示されたほか、フライングホヌのマスコットキャラクターが登場して場を盛り上げた。

NH182便は午後9時24分に45番スポットから出発。ファーストクラス8席は満席で、ビジネスクラスは53人、プレミアムエコノミークラスは58人、エコノミークラスは193人の計312人(ほか幼児8人)が利用した。

ANAによると、東京/成田〜ホノルル線の夏休み期間の利用はコロナ禍前の9割程度まで回復したが、10月と11月は「特にアウトバウンドが少し落ち込んでいる」という。同社成田空港支店の岡功士支店長は、「今後のアウトバウンド需要を勢いづけるためにも3号機の投入は重要」としたうえで、「3機体制を整えることで、海外旅行の象徴と言うべきハワイに行きやすい雰囲気を作りたい」と話した。

▲まつげが特徴のフライングホヌ3号機

▲東京・大田区の高校生が製作した3号機のねぶた

▲ゲート前で販売されたフライングホヌのマスコット

▲初便の利用客に配られた記念品