ANA、国際線の軽食メニューにヴィーガンカレー 野菜と果実で“牛肉に負けないおいしさ”追求

全日本空輸(ANA)は、国際線ファーストクラスとビジネスクラスの軽食として、精進料理専門店が監修したプラントベースのメニュー「果実とスパイス香るヴィーガンカレー」を9月1日から提供する。

「ミシュランガイド東京」で16年連続で二つ星を獲得している東京・港区の「精進料理 醍醐」の野村祐介料理長がレシピを監修し、レトルト食品として2020年12月から同店やオンラインで販売されているものを機内食に採用した。動物性食材、化学調味料、保存料、精製糖、小麦粉を一切使用せず、タマネギやニンジン、リンゴなどの国産野菜と果実から甘味や旨味を引き出している。シナモンやカルダモンをはじめとする豊かなスパイスの香りと、素材本来の甘みや旨味を活かした繊細で奥深い味わいが楽しめる。

当初は同店のまかない料理として開発されたメニューだったが、イベントで提供したところ反響があったことから、アレンジを加えて商品化に至ったという。野村料理長は「日本ではヴィーガン食に対して、“このくらい(の味)でしょうがない”という後ろ向きなイメージがあるが、牛肉や魚に負けないような、本当においしいヴィーガン料理を追求した」と話す。畜産由来のメタンガス排出や、水産業に伴う化石燃料の消費もないため、「環境負荷に配慮したい人も安心して食べられる」という。

ANAによると、事前予約制の特別食としてヴィーガン対応メニューを提供しているものの、軽食メニューではこれまで、幅広い食習慣に対応できる食事は少なかった。ヴィーガンカレーはグルテンフリーなどのフードダイバーシティにも対応が可能なことから採用を決めたという。

提供するのは、日本発着アメリカ路線のファーストクラスと、ニューヨーク、シカゴ、ワシントン、ヒューストン、バンコク、ジャカルタ、クアラルンプール発日本行きのビジネスクラス。

▲レトルト食品として販売している「果実とスパイス香るヴィーガンカレー」

▲精進料理 醍醐