エア・タヒチ・ヌイ幹部、日本人の出国回復遅れ指摘 成田線再開「10月にしてよかった」

エア・タヒチ・ヌイは、東京/成田〜タヒチ線の運航を10月30日から再開する。2020年3月26日を最後に運休して以来、3年半ぶりの運航再開となる。再開を前に同社プレジデント兼マネージングディレクターのマチュー・ベショネ氏が来日し、都内で会見を開いた。

東京/成田発は火・金曜、タヒチ発は月・木曜の週2便を運航する。機材はビジネスクラス30席、プレミアム・エコノミークラス32席、エコノミークラス232席の計264席仕様のボーイング787-9型機を使用する。

東京/成田〜タヒチ線の運航再開は当初、昨年11月3日の予定とされていたが、日本の水際対策緩和の遅れなどを理由に今年2月1日に延期。さらに「昨今の世界情勢の変化に起因する様々なタヒチ国内外の要因を考慮した結果」として、10月30日に再延期されていた。

▲エア・タヒチ・ヌイ マチュー・ベショネ プレジデント兼マネージングディレクター

ベショネ氏によれば、同社の昨年の運航率は2019年比90%まで回復。同氏は「欧米路線はほぼ再開していたが、日本路線だけが遅れていた。やっと再開できることを嬉しく思っている」と話す。

しかし、依然として日本人の海外旅行市場は回復の足取りが弱い。日本政府観光局(JNTO)によると、1月の日本人出国者数は44万3,100人だった。昨年10月に日本の水際対策が大幅緩和されて以降、回復基調は続いているものの、2019年同月比では30.5%に留まる。会見に同席した同社日本・アジア地区統括支社長の千野淳氏は、「そういう数字を見ていると、結果的に10月に(延期)してよかったのではないか」との見方を示した。

▲エア・タヒチ・ヌイ 千野淳 日本・アジア地区統括支社長

千野氏によれば現在のタヒチの市場は、同社のシアトル線開設やデルタ航空の新規就航などを追い風に北米から旺盛な需要がある一方、ホテルの客室不足が顕著となっており、「数か月前でないと希望するホテルが取れないことがある」という。そうした背景も成田線の運航を延期した理由の一つだと説明し、「早めに予約してほしい」と呼びかけた。

また、タヒチを経由してイースター島に渡航する日本人向けのチャーター便を2024年1月から3月にかけて計画しており、旅行会社と調整を進めているという。

なお、タヒチが属するフランス領ポリネシアの入国規制は昨年8月に撤廃されており、ワクチン接種や検査証明書の有無にかかわらず入国できる。

■ダイヤ

TN87 東京/成田(20:00)〜タヒチ(11:50)/火・金

TN88 タヒチ(08:30)〜東京/成田(14:55)/月・木