深夜着・早朝発の使い勝手や如何に　ユナイテッド航空・成田〜サイパン線【搭乗レポート】

2022年12月18日

ユナイテッド航空が9月1日に開設した東京/成田〜サイパン線。サイパンへの直行便は、スカイマーク便が運休した2020年3月以来、約2年半ぶりの復活だ。まずは週3便でスタートしている。

成田発のUA825便は午後9時25分に出発し、サイパンには翌午前2時に到着。サイパン発のUA824便は、現地を午前7時5分に出発し、成田には午前9時45分に到着するスケジュールだ。運行日は、成田発が火・木・日曜、サイパン発が月・水・金曜となっている。

機材はビジネスクラス16席、エコノミープラス42席、エコノミークラス108席の計166席仕様のボーイング737-800型機で、東京/成田〜グアム線でも使用されている。機内の様子はグアム線のレポートを参照していただくとして、今回はサイパン線の使い勝手について触れていきたい。

サイパン行きUA825便　深夜の到着でも現地の足は安心

▲水際対策緩和直後の成田空港第1ターミナル（2022年10月13日）

日本の水際対策が緩和され、外国人の姿が増えてきた成田空港第1ターミナル。しかし、UA825便は午後9時25分発という遅いスケジュールのため、チェックイン時は人もまばらだ。チェックイン締め切り時刻は出発60分前の午後8時25分。仕事を終えた後にスカイライナーで成田に駆けつけ、そのまま出発ということも可能な時間帯ではあるものの、火・木・日曜発という運航日がややネック。金曜に休日を取って日曜に帰国という行程を組めればいいのだが、現地発は月・水・金曜の朝なのである。

▲米国行きの便では、チェックイン時にワクチン接種証明書の提示が必要。長らくのコロナ禍で電子渡航認証システム（ESTA）の期限が切れている人も多いと思うので注意してほしい

なにはともあれ、保安検査を済ませて機内に乗り込む。サイパンまでの所要時間は約3時間半。東京から石垣島や台湾に行くのとほぼ同じ感覚だ。食後に映画を一本見終える前に着いてしまう。

▲深夜便のため客室照明は基本的に減灯している

▲この日の機内食はペンネ。トニックウォーター、フルーツスパークリングウォーター、トマトジュースなど、他とはちょっと違ったノンアルコール飲料も充実しているのが特徴だ

午前2時にサイパン空港に到着。取材時は現地到着後に空港で「Travelers Health Declaration」というオンライン宣誓書の登録画面を提示する必要があったが、これは10月19日に廃止された。現在は特に検疫手続きなく入境できると思われる。

現地時間は日本よりも1時間進んでいるので、日本時間では午前1時ということになり、ここからの移動は少々体に堪える。

▲ターミナルを出たところにシャトルバスの案内板が

深夜の到着となると、ホテルまでの足が懸念点になってくる。マリアナ政府観光局（MVA）はこの問題に対応すべく、東京/成田線の就航に合わせて、UA825便から接続する主要ホテル行き無料シャトルバスの運行を始めた。停車するホテルは、コーラルオーシャンリゾートサイパン、PICサイパン、サイパンワールドリゾート、グランヴィリオサイパン、クラウンプラザリゾートサイパン、ハイアットリージェンシーサイパン、アクアリゾートクラブ、ケンジントンホテルの8箇所だ。とはいえ、ホテルにチェックインできるのは午前3時台になってしまうことが確実なので、その覚悟は求められる。

東京/成田行きUA824便　タフなら“エクストリーム午後出社”も可能？

▲未明のサイパン空港。帰国時もワクチン接種証明書（または陰性証明書）が必要なので準備しておこう

帰国便となるUA824便もスパルタ感のあるスケジュールだ。午前7時5分発ということは、遅くとも午前6時までにはチェックインしなければならない。帰国便にも先のMVAの無料バスが接続しているが、各ホテルを出発するのは午前3時〜4時台だ。最終日は仮眠程度で帰国ということになる。

▲この日の選択肢は「チャーハン or ヤキソバ」。空港で朝食をとるタイミングがなく空腹だったので、眠さと闘って完食

機内は、成田から米国本土便に乗り継ぐアメリカ人と見られる乗客が多い。国籍問わず共通しているのは、誰もが眠たそうということである。

▲食後は多くの人が映画を流したまま眠ってしまっているようだ

帰りの所要時間も約3時間半。食事をして眠っていると、いつの間にか成田に着いている。取材日は、スケジュールよりも30分早い午前9時15分頃にブロックイン。航空機の位置情報を提供するサービス「RadarBox」のデータによれば、最近も午前9時10分〜20分頃に着陸することが多いようで、早着傾向のフライトと言える。オンタイムで到着したとしても午前10時頃には入国できるはずなので、午後からエクストリーム出社ということも不可能ではない――が、体力に相当な自信がある人限定の選択肢だろう。暦通りの仕事の人であれば、金・月曜に休みをとって木曜夜発、月曜午前着の行程を組むのが現実的であろうか。