「HELLO 2020 JET」のJA741A、塗装変更・整備のため羽田出発 PWエンジン搭載777、近く復帰完了へ

全日本空輸(ANA)は10月1日、運航停止指示を受けていたプラット&ホイットニー製のPW4000系列型エンジンを搭載したボーイング777型機のうち、最後の保存機となっていたボーイング777-200ER型機(機体記号:JA741A)の保存整備を解除した。同機は海外MROでの整備と塗装作業のため、同日午前に羽田空港を出発した。

PW4000系列型エンジンをめぐっては、2021年2月に発生したユナイテッド航空機でのエンジン損傷を受け、国土交通省が同系列のエンジンを搭載した機材の運航停止を各社に指示。ANAではボーイング777−200型機10機とボーイング777-300型機5機の計15機が対象となっていた。

同省は今年3月、再発防止策の実施を条件として商業運航再開を認め、ANAでは6月23日にボーイング777-200型機1機(機体記号:JA742A)の運航を再開。その他の機材も順次運航を再開し、JA741Aが復帰を待つ最後の1機となっていた。

同機は2018年1月、東京五輪に向けた特別機「HELLO 2020 JET」として、様々な競技種目のシルエットや日本のシンボルを描いた特別塗装に変更。しかし、コロナ禍による五輪の延期とエンジン問題により、開催期間中は一度も運航できなかった。

きょう10月1日午前6時49分頃にNH9415便として羽田空港を出発した同機は、午前7時11分頃にD滑走路を離陸。台北で整備と塗装変更を行うと見られる。

ANAは、運航停止対象全15機の復帰を10月末をめどに完了させる見込みと発表しているが、JA741Aの営業便への投入計画は現時点では未定だという。(記事の一部を修正しました)