ANAと穴守稲荷神社、コラボで御朱印帳 ハミングバード出発の787デザイン

全日本空輸(ANA)は、航空安全の神社として知られる東京・大田区の穴守稲荷神社とタイアップした御朱印帳を8月17日に発売した。

穴守稲荷神社は羽田空港至近の住宅街に鎮座し、同空港の前身である東京飛行場が開港した1931年以来、90年にわたって航空関係者が安全祈願のため参拝に訪れる場として知られる。戦前までは現在の羽田空港の敷地内にあり、B滑走路の南端付近に本殿が位置していた。

御朱印帳は「ANAデザイン」と「穴守稲荷デザイン」の2種類。いずれも表紙と裏表紙は木質材料のMDF材を使用し、寸法は縦180ミリ、横120ミリ。御朱印を48面捺印できる。

▲左が穴守稲荷デザイン、右がANAデザイン

ANAデザインは、羽田空港の横を流る多摩川付近を富士山を背景に飛ぶANA機と、穴守稲荷神社の祭神の使いとされる雲キツネ、空港敷地内に残る旧穴守稲荷神社大鳥居をイメージしたイラストが描かれている。

穴守稲荷デザインに描かれているのは、羽田空港と穴守稲荷神社の間を流れる海老取川の上を飛ぶANA機と、神社の境内にある千本鳥居、雲キツネ。同神社の井上直洋宮司によると、このANA機は2019年に廃止されたハミングバードディパーチャーと呼ばれる離陸方式で出発するボーイング787型機をイメージしたもので、過去には境内から実際に千本鳥居の奥を飛んでいく飛行機が見えたという。

▲穴守稲荷神社の千本鳥居

ANAデザインは1冊3,000円で、機体工場見学ツアー「ANA BLUE HANGAR TOUR」の売店とECサイト「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」で取り扱う。ECサイトで購入する場合は、別途1,000円の送料等が必要。穴守稲荷デザインは御朱印の初穂料込で1冊3,500円。穴守稲荷神社の社務所で頒布する。

今回のタイアップは、コロナ禍でスタートしたANAの新規事業提案制度「Newがっつり広場」で社員が発案したもの。ANAグループが創業期から穴守稲荷神社で安全祈願を行っていることが縁となって実現したという。同制度ではこれまで、羽田空港に駐機した国際線機材の客室で結婚式を挙げる「THE WEDDING with ANA」や、同様に駐機中の機内でファーストクラスの食事を体験できる「翼のレストランHANEDA」などが事業化されている。

御朱印帳の企画に携わった同社整備センター部品事業室部品計画部の碇浩司マネージャーは、「御朱印帳をきっかけにご縁のある神社に行き、自由に旅行ができる世界になるよう願ってほしい」と話した。

なお、穴守稲荷神社ではタイアップを記念して、境内の手水鉢にANAのコーポレートカラーをイメージした青い花を浮かべる花手水を8月17日から実施している。また、航空稲荷月次祭が行わる毎月17日と、空の旬間である9月20日〜30日は、航空機をイメージした特別な御朱印を頒布する。

▲穴守稲荷神社で航空安全を祈願する客室乗務員ら

▲タイアップを記念したANAカラーの花手水

▲特定日のみ頒布する航空機イメージの御朱印