自動運転で手荷物運搬、JALが成田に導入 地上業務を省人化へ

日本航空(JAL)は、乗客の荷物を入れたコンテナを運ぶトーイングトラクターの自動運転を5月25日から成田空港で始めた。第2ターミナル本館とサテライトとの間で運用し、グランドハンドリング業務の省力化を図る。

第2ターミナル本館からサテライトまでの手荷物運搬は基本的にベルトコンベアで行われているが、スキー板やゴルフバッグなどの長尺物や、楽器ケースなど慎重な取り扱いが必要になるものはコンテナに載せてトーイングトラクターで搬送している。コロナ禍以前は両施設間を1日に数十往復することもあり、将来的な労働力不足が懸念されていたことから、JALは自動運転の導入を検討。2019年10月から実証実験を行っていた

▲自動運転で走行するのは第2ターミナル本館とサテライトとの間

当初は2020年度中の実用化を計画していたが、コロナ禍による運航便数の減少を受けて時期を再検討し、5月25日から本格運用を始めた。車両は仏・TLD社の「TractEasy」を採用。GPSの位置情報などをもとに、両施設間にあらかじめ設定された約400メートルの経路を最高時速15キロで自動走行する。走行中はレーザー光によるセンサー「LiDAR(ライダー)」で周囲の障害物を検知し、他の車両や人が接近した場合は自動で停止する。

国土交通省航空局が発表している空港車両の自動運転化に向けたロードマップでは、空港内で無人運転が可能となる「自動運転レベル4」を2025年に導入することが目標として掲げられている。JALが今般導入したのは特定の条件下で自動運転する「レベル3」相当で、人による運転操作は必要ないが、走行中はドライバーが乗車して運転状態を監視する必要がある。同社の担当者は「レベル3導入はレベル4へのステップ」と話し、ハンドリング業務のさらなる省人・省力化に向けてレベル4の早期実現を目指す考えを示している。

▲レベル3自動運転に対応したトーイングトラクター

▲ベルトコンベアで運搬できない長尺物をコンテナに載せる様子

▲第2ターミナル本館の荷捌き場を自動運転で出発するトーイングトラクター

▲運転操作はせずに自動運転の状態を監視するドライバー