本当は教えたくない、旅行系インフルエンサーの稼ぎ方【コラム】

インフルエンサーと読者に迫る闇、景品表示法のスケープゴートに

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「企業案件」によって、安定した収入を獲得できるようになるインフルエンサーという構図は、一見デメリットもない優良なビジネスモデルのように見える。しかし、ここには誰も話したくない、いくつかの闇がある。

もしA社の「B」という商品を、A社が実際のものよりも著しく優れていると表示した場合、これは景品表示法で禁じられている優良誤認にあたる。しかし、「Bの商品が、(現実と異なる説明とともに)とてもよかった」とあるSNSユーザーCさんが発言し、それを多くの読者をもつインフルエンサーDさんが拡散した場合、優良誤認表示に当たるとは考えづらい。

だが、万が一、A社が「B」の商品を、Cさんに事実と異なる投稿をすることを依頼し、内容に関わらずDさんに拡散を依頼した場合、話は違う。厳密な規制に含まれるかは傍においておいて、A社が多くの消費者を優良誤認によって欺こうとしたという、紛れのない事実がある。景品表示法に抵触する可能性も大いにある。

SNSの発達によって、だれでもインフルエンサーになり、情報発信者として影響力を持てるようになった現在ならではの闇として、インフルエンサーは景品表示法の「不当表示」のスケープゴート(身代わり)になり得るのだ。

読者の“信者”化 インフルエンサーが発信した時点で、その“情報”は期限切れ

インフルエンサー自身も、自分が何者であるのか、読者に明かすことなく投稿することができ、かつSNSで拡散を狙うために、都合の良い情報のみで構成した投稿をすれば、手っ取り早く影響力を獲得できる。

SNSのユーザーは、再生回数や拡散数、フォロワーの数が多ければ、疑うことなく信用してしまう性質がある。嘘を嘘で塗り固め、嘘を見抜けない人を囲い込むことで、インフルエンサーは「一丁上がり」だ。ボロを出さなければ、信者ばかりのコミュニティを長く維持できる。そして、知らないうちにあなたもその闇に呑み込まれていくのだ。

そもそも大多数が知ることができる、インフルエンサーの発信に含まれた情報は、インフルエンサーが発信した段階で、期限切れが宣告されたようなものだ。

もし、大々的に発信されたのに、もし「お得な情報」が残っていたら、実はその情報に罠があったか、サービス提供元が鈍感であったか、インフルエンサーの力が過大評価されていたか、というところだ。どれにしても何とも哀しい。

インフルエンサーの応援の仕方

羽田空港第1ターミナル

そんな厳しい環境で、闇に呑まれず頑張っているインフルエンサーを応援したいという人もいるだろう。そんな人におすすめしたいのはこういう行動だ。

・インフルエンサーの投稿を拡散する
(「本当は教えたくない〜」「知らないと損〜」などと煽る投稿は、特に頑張って投稿している)

・インフルエンサーの掲載したURLから購入する
(雀の涙と言ったけれど、枯れ木も山の賑わい)

・インフルエンサーを引用やメンションで褒めまくる
(褒められると嬉しい。エゴサーチをしてるかもしれない)

・インフルエンサーの誘導するURLに積極的にアクセスする
(アクセス数は大体見ている)

・インフルエンサーのコラボプランは積極的に利用する
(リピートがインフルエンサーの信仰具合を表す)

逆接的に言えば、こういう行動をしないと、インフルエンサーが闇に呑まれてしまうかもしれないので、読者は気をつけるべきだろう。

ところで、あなたがSNSで「いいね」した、無料ドリンクがおすすめのホテル、景色が綺麗なホテル、漫画がたくさんあるホテル、食事が美味しそうにみえたホテル、”お得そう”に感じたホテル。その名称を思い出せますか? そしてそのうち、いくつのホテルに泊まりましたか?

(※本記事は特定の人物を意図した投稿ではありません。また、記事中の画像はすべて参考画像です。)

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