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2度の食事の間は10時間超! 遠回り欧州便に乗ってみた【レポート】
日本政府による新型コロナ感染対策の水際対策が大幅に緩和されたことで、海外旅行への見通しがようやく開けてきました。東南アジアの国々の中にはPCR検査結果を持参さえすれば、コロナ禍以前のように入国できるところもあり、すでに2年ぶりの週末海外旅行を体験したという人の声も聞こえてきています。
そんな中、欧州各国の入国条件はさらに緩くなっており、いまや多くの国がPCR検査結果の提示さえ無しで入国を受け入れています。しかし、大きなブレーキになっているのは、ロシアによるウクライナ侵攻の煽りで起きた「日欧間航空便の遠回り」です。飛行時間は2時間以上は延び、便数や行き先も制限されるなど、いきなりハードルが上がる格好となっています。
筆者は3月下旬、日本から欧州へ遠回りルートを飛びました。実際にどんなことが起きたか、読者の皆さんにお知らせしましょう。
北に避けるか南へ避けるか?
すでに各種報道などで伝えられているように、欧米各国はロシアによるウクライナ侵攻への制裁として、ロシア機による自国領空の通過を禁止しています。その一方、ロシアは報復措置として、制裁した国々の航空便の領空通過を拒んでいます。日本は制裁には参加していませんが、様々な事情を考慮し、日系各社も従来のシベリア上空経由を避けるルートで運航しています。
一言でロシア上空を避けると言っても簡単なことではありません。北に避けるか南に避けるかの選択になりますが、どちらに回っても飛行時間が少なくとも2時間は延びます。
「南回り」は中国経由でカスピ海上空へ
筆者は3月下旬、成田からチューリッヒへと飛ぶ機会を得ました。事前情報で、この便はロシアとウクライナの南側を飛ぶ「南回りルート」を飛ぶと知っていましたが、フライト情報のサイトを見ても細かいところがよくわかりません。実際にはどんな経路を辿るのかが大きな関心事でした。
かつての「南回りルート」のフライトは、タイやインドの上空まで南下し、かなりの遠回りが強いられました。あの頃は、経由地で何度も降りたり乗ったりさせられ、所要時間も20時間以上かかる大変な旅でした。しかし、その後の国際情勢の変化もあり、1980年代の経路よりはずいぶんと短くなっています。
実際には、日本から韓国・仁川を経て、中国を横断。カザフスタン、カスピ海、アゼルバイジャン、ジョージア〜トルコの黒海、欧州という流れで飛行しました。欧州までの距離は、従来ルートと比べ2,000キロ以上迂回させられる格好となります。特に日本からの欧州行きのフライトは風の影響で、飛行所要時間は15〜16時間かかるというわけです。