HIS、グループのガバナンス改善の状況明らかに Go To不正受給問題で

エイチ・アイ・エス(HIS)は、グループのガバナンス改善の進捗状況を明らかにした。

グループのミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベルが、Go To トラベルキャンペーンの助成金を不正受給していた問題で、関係会社の管理体制を見直しに向け、グループ全体のガバナンス強化が重要課題であるとしていた。

グループの経営戦略条、重要な子会社である16社の社長をはじめとする経営層に対し、不正受給問題の事案と、今後実施するガバナンス改善活動についての説明を行った。各社でリスク管理責任者を専任するよう指示し、その責任者と共にガバナンス改善を行っていく体制の構築を始めた。その他の子会社に対しても展開していくという。

また、社長の業務執行に対する監視・監督機能を強化するため、関係会社管理規程を見直した。特に不正受給問題の要因の一つであった問題取引の早期把握については、社内不祥事等の事案が生じた場合を含め、リスク・コンプライアンス委員会の専任事務局として設置したリスク管理室に、速やかに報告するよう規程に定めた。

さらに、親会社による子会社管理の一環として、不正受給問題に関与した2社の代表取締役社長の異動を行っている。今期の監査では、親会社、子会社ともに助成金受給に関する項目を加え、監査を実施している。

内部通報制度をグループ横断型の制度とし、すでに取り組んでいる子会社では、定期的に制度の周知を図る。これまで内部通報制度を導入していなかった子会社では、内部通報制度を委託している企業との契約を順次締結している。情報システム面でも、利用しているメールサービスにおける証跡の記録と保存をはじめとする、定期的なシステム管理のモニタリングをするためのアカウント管理ガイドラインの洗い出しに着手した。